第15話 男女の戦い(表)
「なぁ、みずきの件だがどうするつもりだ?」
正直、みずきに
・一緒に学校に行く
・昼を一緒に食べない
・一緒に帰らない
なんて無理ゲーだぞ。ってか、男友達なんて作ったらダメだからな。俺が面談して、許したやつだけ友達ってことにしてやる。
「そうねぇ。3つは無理なら、1つだけでいいからやめさせるのよ。」
「それは分かる。別に構わない。だが、それが出来ないから困ってるんだよなぁ。」
「そう?昼を一緒に食べないのは簡単に見えるけど?」
俺が不思議そうに首を傾げると彼女はこう言った。
「お兄ちゃんと一緒にいたくないってすればいいってことよ!」
「おい待て何する気だ。」
「例えば、昼ご飯の白米の上にふりかけで、『お兄ちゃんなんて嫌い』って文字を書くのね?そしたら、みずきはそれを見せたくないからたっくんとは食べないってことよ。」
「おい待て、それ俺傷つくよ!?」
俺のことも少しは考慮してくれよ・・・。失恋男子は傷つかない ってか?そんなラノベはねぇよ!
「でも、それじゃどうせ一人で食べることになるんじゃないか?」
「う〜ん・・・そうね・・・」
あっ!となにか名案を思いついたように彼女が笑顔になる。可愛い。ご飯3杯は行ける。嘘です。そんなに食べられない。精々ご飯2杯で限界だわ。
「たっくんを臭くしましょ!」
「ちょっと、何言ってるの!?」
このバカ姉は何言ってるの!?俺のデメリット凄すぎない!?その後、俺にもどうやって友達作るか大作戦出来ちゃうよ!?本末転倒だよ!?
「つまり、みずきがたっくんと一緒にいたくなくなればいいのよ!」
「ねぇ、バカなの!?俺の尊厳少しは大切にしてよ!」
「じゃあ、たっくんをダサくする?」
「なんでそういうことしか考えつかないんだよ!!」
しかし、いい案が浮かばない。半分・・・いや、4分の3は誰かさんのせいなんだけどさ!何かいい案はないか・・・?
「それなら、部活か委員会に入らせてみたらどうだ?あいつなら一躍人気者だぞ?」
「そうねぇ・・・。悪くは無いと思うけど、お兄ちゃんと一緒にいたいって嫌がるんじゃないかしら?」
それは確かに予想出来た。しかし、俺とてもう少しで受験生。それに、今更部活に入るなんて無理無理!そんなのコミュ力バカみたいに高くなきゃ無理だろw
「ん・・・待てよ?」
「たっくん?どうかしたの?」
「ひとついい案があるんだけど、試してみる?」
「どんな案なの?お姉ちゃんにも教えて〜。」
その期待してなさそうな期待してそうな目はなんだよ・・・どっちなんだよ!っていうか俺バカにされてるの!?アイツバカだからまともな意見出さねぇよって感じなの!?
「俺はこういうことは、専門家に任せるのが吉と見た。」
「たしかにそれはそうだけど・・・その専門家って?」
「コミュ力の達人には1人心当たりがある。俺の幼なじみのももだ!」
「それは、栗原さんにみずきのことを頼むってこと?」
「そういう事だ!割といい作戦だろ?」
「想像してたよりもいい案が来てお姉ちゃんびっくり!!」
やっぱりバカにしてたじゃん!酷くない!?
「んじゃ、LINEを送信っと・・・。あとは返事次第か・・・」
ももからのLINEの返事を待つのも久しぶりだな。昔はこれだけでドキドキしてたのに・・・。今となっては返事が来るかすら危ういからなぁ。
すると、
「よっ!お二人さんは色々上手くいったか?」
「あら、賢治くんとみずきじゃない!2人もお話終わったの?」
「あぁ。色々話せたよ。これで、攻略難易度下がったな!」
「下がってないです!」
「俺の妹に何してんだてめぇ・・・?」
にしても、こいつらが30分も何を話していたのかが気になる。賢治はガチの顔だったし、色々ありそうだけどな・・・
ま、話がまとまったら後で通話でもするか。
ん?まだももが既読をつけない?珍しいな・・・何かあったのか?まぁいいや。
「おい賢治、このゲームしようぜ。」
「あ〜!それ私もやる!」
「よし!じゃ、みずきちゃんも入れて3人でやるか!」
途中、賢治の方を見ると、それはそれは真面目な顔をしていて、いつもと少し違う雰囲気に俺は圧倒されていた。
マジで何があったんだろうか・・・?
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