第14話 女の子にしれっと名前呼びさせるのって陽キャじゃね?
「なぁ、俺たちって友達だよな?」
「何当たり前のこと言ってんだよ?」
「そうだよな・・・」
そう言って、賢治は満面の笑みでこう言う。
「あんなに可愛い妹がいるのに、こんなに可愛いお姉さんがいるなんてけしからん!!なんだお前!?お前、こんな美人と同居してんのか!?馬鹿じゃないの!?」
こいつ・・・とりあえず落ち着いて欲しい。
まぁ、昨日言ってたみずき関連のことを話にきたのだが、
「そんな興奮すんなって。」
「頼むよ・・・どっちかでいいから分けてくれよ・・・」
「なんだお前?俺の姉妹に手を出すつもりか?そうなったらもはや戦争だぞ?」
なんてことを言ってるうちに、姉は2階から戻ってきて
「大伴くん、遅れてごめんなさいね!」
「いえ、それよりも賢治で構いませんよ。」
「えっと・・・じゃ、じゃあ賢治くん?みずきについて相談ってのは・・・?」
しれっと名前呼びさせてるのがすごいと思う。尊敬する・・・いやしないな。こういう所だけはすごいと思えるんだけどなぁ。
それから俺たちはみずきの現状について全て話した。
「お姉さん的にはどうですか?」
「そうね・・・確かにそれだとお友達は出来なさそうね・・・」
「じゃあどうするんだ?」
「それなんだけど、少し任せて欲し・・・」
姉がそう言った時だった。
「おはよ〜ってもう賢治先輩来てるの!?」
「えっ!?寝起きってことはみずきちゃんってあれがすっぴんなの!?」
「え、あっ!?ヤダすっぴんじゃん!少しタイム!」
あれすっぴんなのかよ。可愛すぎだろ。さすが俺の妹だな。
「どうする?このままだとみずきに聞かれちゃうかもだぞ?」
「う〜ん、そうねぇ。じゃあ今回はここまでにする?」
そこで一人の男が声をあげた。
「なぁ、ここは俺に任せてくれ。」
「賢治、どうするつもりだ?」
「少しみずきに話がある。少し二人で話したい。」
賢治が本気の顔だ。恐らくこれは下心目的ではないだろうと察した俺たちはいいよと許可を出した。
「でも、どうするつもりかしら?」
「さぁね。でも、あの顔は確実になんかあると思う。あいつのあの顔は滅多に見れないしな。」
「じゃあ会ってから初日で見れたお姉ちゃんはラッキーなの?」
「ポジティブすぎんだろ・・・」
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「みずきちゃん?入るぞ。」
「ん?何か用?」
「いや、それよりここ拓馬の部屋だろ・・・なんでお前ここにいるんだよ・・・」
「そんなことはどうでもいいの!で、要件は?」
いや、割とそれも危険だと思うんだが。まぁいい。俺が今日この家に来たのは別の理由もあるのだ。
「このLINEを見てくれ。」
そう言って俺は彼女とのLINEの履歴を示す。
そこには、
『拓馬に私に近づかないように言っといてくれる?』
というLINEがあって、こんなことを言うきっかけなんて思い当たるのはひとつしかなく・・・
「お前・・・ももに何した?
いや、何を言った?何を企んでる?」
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