第34話 林間学校なんて行かせません!え!?本当に行っちゃうの!?
「ってことで、今度林間学校行ってくるわ。」
夕飯に作ったオムライスを食べながら俺はポロッと言う。否、言ってしまったの方が正しいかもしれない。
「へぇ。いいわね林間学校。で、何日行くの?」
「2泊3日。」
「分かったわ。お姉ちゃんも準備しとくね。」
「いや、ダメに決まってるだろ・・・」
何を言ってるんだ・・・このバカ姉は。
「え!?じゃあ2日も会えないの!?ヤダヤダ!そんなの行かせません!」
「そうだよ!おにぃと会えないなんてどうすればいいの!」
「お前ら、俺の青春をどうするつもりだ!」
いくら言ってもご不満の様子。どう説得しようか。
「じゃあ、毎日電話するから。」
「圏外とかじゃないよね・・・?」
「じゃ、じゃあ写真撮って帰ってくるから。」
「それじゃ会えないの変わんないわ!」
「それなら、お土産買ってくるから!」
「林間学校のお土産って何よ!」
あーもうダメだ。これ詰んでる。
そうだ、こういう時の賢治だよ!あいつに頼もう!
「ん?なんだ拓馬?」
「用がある。」
◇◆◇
「やだ。めんどい。」
「デスよね〜」
ここまでがテンプレ。むしろこうなることなど分かりきっていた。あ、いや。分かりきってるのにやるのは作戦があるからで、決して俺ドMなわけじゃないからな!違うからねっ!勘違いしないでよねっ!
「賢治・・・よく考えてみろ。」
「何をだよ?」
「もし俺が行かなかったらどうなる?
お前は確実にボッチだ。そんな中行きたくもなかろう。なら、ここは俺を止めなければならなくないか?」
決まった〜!気持ちいいぜ!超エキサイティング!くらい気持ちいい〜。こういう正論で殴るのって気持ちえぇ!!
「え、それなら休むけど・・・」
あ・・・マジ?そんな選択肢がそっちにはあんの?
え、そんなこと言われたら無理無理。楽しみにしてたの俺だけなん?悲しすぎん?
「た、頼む!」
「めんどいって〜。じゃあ切るぞ?」
「俺に一つ貸しを作れると思って!」
「いらねぇよそんなもん!!」
ここは仕方がない・・・強硬手段。
「みずきの寝顔撮って送ったるから。」
数秒の沈黙があったあと、奴は「OK」といった。
◇◆◇
〜翌日〜
「賢治、どうだった?」
「あ、林間学校の許可貰えたよ?」
「お、マジ!?やった!サンキュな!」
だけど、こいつどうやって・・・?
「今週の日曜空いてるよな?」
「別に空いてるけど・・・なんだよ?」
賢治は大きな声でこう言った。
「林間学校でお前に会えないから、その分堪能させればいいんだ。ってことで、今週の日曜にお前の奢りで遊園地だ!!」
いや、まぁいいんだけどさぁ。
俺の奢りってとこ以外ね。
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