第39話 命懸けの幼なじみ救出作戦
「おいもも!どこだ!」
まずい・・・班のメンバーに迷惑をかけるのはなるべく避けたい・・・
事情が事情だから割りとどうにかなるだろうし、こっちには切り札があるから大丈夫だけど・・・
「た、拓馬!」
この声は・・・もも!?
「もも!どこだ!?」
「下!そこの下!」
ん・・・下?まさか・・・
さっき見た地図にあった小さい崖に落とされたのか!?最低だ・・・許せない。
俺は少し冷静にするべきことをした。ここの地面は割とジメジメしてて靴の裏がはっきりと写ってるな・・・。これなら、
「もも!今行くからな!」
「そこ降りられないよ!危ないから先生呼んできて!」
「いや、任せとけ。俺にはどんな事があっても生還できるように、リュックの中に姉妹が色々詰めてくれてるしな・・・」
「せ、生還って・・・」
ももも、少し笑えるくらいの元気はあるらしい。さて、そしたらあの木に紐くくりつけて降りるか・・・
俺は近くの恐らく1番太く頑丈でありそうな木を見つけ出し、それに紐をくくりつけた。そして、もう一方を自分で持って降りていくというかなり危険な降り方をしている。
「ちょっ!?危ないって!」
「いいから黙ってろ!すぐ行くから!」
「でも・・・もし拓馬が!」
「俺はお前が心配なんだよ!いいからそこで大人しく待ってろ!」
俺は必死にその紐を手繰り寄せながら降りる。ここからなら飛べばどうにかなるな。
「よっと・・・」
マジで怖かった・・・俺高所恐怖症なんだよな。死ぬかと思ったぞ・・・
「お待たせ。」
「ありがと・・・」
まぁでも、この笑顔を見れるならあのくらいの博打をした価値はある。なんて思ってしまう自分が馬鹿らしい。
「でも、この後どう行けばいいのかわかるの?」
「あぁ。大丈夫だ。全部俺に任せとけ。」
「・・・拓馬ってこういう時だけ頼もしいんだね。」
「おい!こういう時だけってなんだ!こういう時だけって!!」
ん?今拓馬って言ったよな?しばらくずっと如月って呼ばれてたのに・・・なんか昔に戻ったみたいで新鮮だな。
「歩けるか?」
「無理って言ったら?」
「おぶって帰る。」
「じゃ、お願いしていい?」
「了解。喜んで。」
◇◆◇
その後俺たちは登山道の入り口に戻って携帯で教師と連絡をとった。そして、もう2人ほど連絡を取っておきたいやつにも。
「ん?賢治から電話?連絡しようと思ってたら・・・」
とりあえずこいつには「まずい・・・もう終わりだ」って送っとこ。
さて、次俺がしたいことといえば
「もも、このことどうする?」
「どうするって先生に言うってこと?」
「あぁ。そういう事だ。」
「でも、きっとはぐらかされて終わりだよ?」
「了解。ならこの件は無かったことでいいのか?」
「う、うん・・・そうだよね。」
その顔を見るに、彼女としても少し嫌なのだろう。そりゃそうだ。目には目を歯には歯を。悪い事をしたなら報復は待っているべきだ。
その後全体と合流し、ももとは一旦別れることに。暫くは賢治にもものことを任せてある。
「さて・・・俺はあいつと合流しますか・・・」
少しだけ痛い目見てもらわないと俺としても気が食わないからな。
っていうか、こういう時無性に楽しくなっちゃうのって俺だけなのかな・・・?
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