第30話 我が妹がカップルになったらしいのだが 〜前編〜

「なぁ、姉よ。」

「ん?どうしたの?」

「なんで2人してみずきの尾行をしているんだよ・・・」

「だって・・・あの距離感はカップルでしょ!」


◇◆◇

「学校終わった〜!!」

「拓馬、帰ろうぜ〜」

「今日もカフェ行く?」

「今回も道連れにするけどいいのか?」

「今日はあお姉シフトじゃねぇよ。」


そのまま、何処へ行くかも決めず途中まで帰ってきていた。


「じゃな。」

「また明日な。」


何気に賢治との別れなんてものはいつもこんなものだ。なんか、「バイバイ!明日もパーティーしよぉな!まじ卍!!」みたいな陽キャじゃなくてごめんな。

いや、よく考えると俺そこまで陰キャじゃないと思うんだよな。別に、陽じゃないキャなだけだし。第1に、陽キャと陰キャっていう表現が極端だよな。


\ピロン/


そんなことを考えていた時に突如、着信音がなった。誰だ?俺にメッセしてくるやつなんて居ないんだが・・・強いて言うなら姉妹か?


「お、あお姉か。」


『至急、イヲンに来るように。イヲン2階服屋の前にて待ちます。』


「なんの用か言ってから読んで欲しいものだが・・・仕方ない。暇だし行くか・・・」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「んで?なんのために呼んだんだ?」

「あ、きた来た。ちょっとあれ見てくれない?」


そこにいるのは、みずき・・・と、もう1人。見た感じ男子?まさか彼氏か?


「あれカップルだよね?」

「え?カップル?そうなのかもしれんが、決めつけるのは早いと思う・・・」

「いや、みずきにふさわしい男か見定めるよ。」

「男ねぇ・・・それなら俺誰も許可出さんぞ?」

「私たち独身になっちゃうよ・・・」


◇◆◇

というわけで回想終了。カップル尾行なんて、やられた方からしたらたまったもんじゃないと思うが・・・


「んで?どんな感じ?」

「もう少し近付いてみる?」

「まぁ、顔見えないしな。」


というわけで近づいてみた。のだが・・・


「なぁ、フード被ってて顔見えないぞ?」

「でも見た感じ、色白男子って感じだよ?」

「色白ねぇ・・・みずきは黒いのが好きなんじゃ?」

「なんなのよその偏見・・・」


その後も何分も尾行したが、誰か全く分からなかった。そして、我慢の限界は来たらしく


「ねぇ、たっくん?もう私行くね?」

「おぅ。行ってら。」


姉が勇気をだして行こうとしている。ってかあお姉盛大に勘違いしてる予感が・・・ってあれ?


「行くって、トイレかよ・・・あの二人の方に行くんじゃないのな・・・」


と思った途端。あれ?あの二人がいない?どこ行った?


「何つけてるんだよ・・・」


あっ・・・面倒になりそ。

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