第9話 汗で服が透ける?見えないじゃんかよ!
妹を迎えに行こうとして少し寄り道をしてしまったが、何とかショッピングモールの入口までたどり着いた。するとベストタイミングで、
「おにぃ!おまたせ!」
「あれ?もう来たのか!?」
「うん!はやいでしょ!」
「お前、学校からイヲンまでって結構あるぞ?」
「走ってきちゃった!」
走ってきたにしても早い。みずきは陸上部か何かなのか?男とあんま変わらんぞ?
「んじゃ、惣菜。買いに行こっか。」
「フフフ・・・おにぃ。少し待ちたまえよ。」
「ん?どうした?」
俺が不思議そうにするとみずきはこう言った。
「今日朝ここのチラシ見てきたんだけど、6時からがタイムセールなんだって!それまで時間潰してようよ!」
「う〜ん。でも、あお姉は6時半には帰れって、」
「いいじゃん!せっかく二人っきりなんだし!」
そう言われて近づいてくるみずき・・・汗をかいてるのか少し制服が湿って、下着が・・・
見えねえよ!
普通に見えるわけねぇだろ!何考えてるんだよ俺は!妹に欲情してただの変態じゃん!
いかんいかんと気を改めて、過ごすのはいいがどこで時間を潰すのか質問をする。
「そんなの決まってるじゃん!」
「ん?どこだよ?」
「近くにあるでしょ・・・」
「ん?どこの事だ・・・?」
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ここ・・・かよ・・・
「じゃーん!!みんな大好きBOOK・IF!」
ここはいわゆる中古の本屋。漫画やラノベの立ち読みができて、夏にはクーラーも聞いてる最高の場所。ここにいれば1日過ごせるって賢治とそういえば来たっけか?
にしても、
「お前、兄と来る場所がここかよ・・・」
「あー!なんでそんな目するの!ここは私たちにとって楽園なんだよ!?」
「待て待て。私たちって一緒にするな!」
「違うの?あんなにラノベ持ってるのに?」
あれ、なんでこいつ知ってるんだ!?ももに振られて家にいた時も結構ラノベ読んでたんだけど、面白いよね。
まぁ、なんで知ってるかは今はやめとこう。早く中に入りたいしね。
「まぁいいや。あっ、先行ってて。」
「わかった!ラノベのところにいるね!」
さて・・・少しお兄ちゃんとしても責務とあお姉への遅れる連絡をしとかなきゃな。
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みずきのやつ、じっくり読んでるな・・・。
でも分かる。ラノベって、じっくり読んじゃうものだよな。細かい所まで作者のこだわりみたいなの出てるし、言葉遊びが上手い人のって何周しても面白いからな。
「何読んでんだろ・・・ちょっと覗いてみるか・・・」
ん?見覚えのある表紙。その表紙はまさか・・・
「お前!それ、妹だけど愛さえあれば関係ないよねっ!じゃないか!」
「あっ!おにぃ!来たんだ!」
「来たんだ!」じゃねぇよ・・・ こいつ、手にも妹ものしか持ってねぇよ!!何だこの偏りすぎてるレパートリーは!?
「お前、女性向けのは読まないのか?」
「うーん・・・こっちの方が私は興味あるな!」
「言っとくけど、俺は妹NGだからな。」
「なんでよ!ケチ!」
ケチじゃねぇよ!妹じゃなきゃとっくに惚れてるっての!って何言ってんだ俺!
「で?おにぃ何してたの?」
「あぁ、それはな・・・」
と言って、爽やか系のサイダーを取り出してみずきに渡す。
「えっ?これって?」
「走って疲れてたろ?たしか、お前って昔サイダー好きだったよな?」
「・・・」
「えっ!?あれ!?違った!?昔一緒に飲まなかったっけ・・・?」
みずきが止まっている。思考停止?なんの顔だよ。もしかして炭酸飲めないのか!?やめろやめろ!あれ?割と自信あったんだけど!?昔一緒に飲んだ記憶あるんだけど!?
「覚えててくれたんだ…ありがと…」
そう言ったみずきの顔は可愛いっていう次元を超えていて、もし、俺がももに出会わなかったら妹でも完全に惚れていた。っていうかまだ片思い引きずってるんだな・・・ちょっと悲しいわ。
「さて、じゃあお互いにいいのを探しますか。」
「ん!了解!それじゃあ時間になったらお願いね!」
さて、俺はプレ〇テの古いゲームでも探しに行くか・・・あぁいうのってたまに神ゲーあるからそれを発掘するのがいいんだよな。
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さて、困ったな。どうしようか。
ゲーム発掘を終えた俺のスマホの時計には6時半と示されていた。
「どうする?妹よ。」
「これが詰みって状況だね!」
「「だね!」じゃねぇよ!!」
「まぁいいじゃん!とにかく走るよ!」
「あっ!ちょっ!仕方ないな・・・」
溜息をつきながらも久しぶりの軽いランニングに少し心拍数が上がっていた。
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