第4話 そうだ学校に行こう
「お前と・・・同じ学校!?」
「ねぇねぇ!一緒に行こうよ!」
妹と同じ学校とか何の罰ゲームだよ。もっと学校行きたくなくなったわ。僕も家に籠ってYouTuber目指すもん!ゲーム実況者になるもん!
「行きたくない。以上。っていうか今もう昼だぞ?何言ってんだよ遅刻なんてしたくねぇよ。」
「おにぃ何言ってるの?」
「これは・・・あらあら。」
何だこの反応・・・。まさかコイツら
陽キャ!?
陽キャとは遅刻なんて気にしないで教室に入っていき、教師に向かって「チョリーッス!」とか言うやつのことである(ド偏見です。良い子は真似しないように。っていうか陽キャじゃなくてただのキ○ガイで草)
にしても、こいつらがそういう人種だったなんてな。昔は泣き虫だった2人がこんなに育ってしまって。お兄ちゃん悲しいよ・・・
「あの〜たっくん?ひとついいかしら?」
「ん?なんすか?」
「おにぃ・・・今まだ朝の6時半だよ?」
ふぇぇぇぇ!!!?ハワワワワ!恥ずかしいですぅ!ガチ陰キャが偏見で陽キャとか言ってごめんなさいですぅぅぅ!!
すまない。この喋り方はもう二度としないから許してくれ。喋ってて俺自身が不快になったわ。自分で自分を貶したい。
「そんなになるまで引きこもっちゃって。そもそもなんでたっくんは学校行かないの?」
「あっ!それうちも気になる!!」
やめろ・・・それ以上俺の初恋について話さないでくれ!!
「話さないぞ!」
「話さないとどうなるか・・・分かるよね?」
「おにぃは今からうち達に何をされちゃうのかな・・・?」
絶対話さないからな!!!
〜10分後〜
あ〜話すと気が楽だわ〜。まだ未練タラタラだけどこれなら学校行けるわ。でも、今更行くのもめんどくさいしな・・・。今日土曜日だし、今日休んで月曜から行こっと。
しかし、そんなことを考えている俺とは違い、2人の表情は変わっていて・・・
「ねぇ…たっくん?」
「なんだ?」
「そのももって人、家近くなんだよね?」
「あぁ。そうだけど?どうしたの?」
「みずき…少しお礼をしに行くわよ。」
「奇遇だね、お姉ちゃん。うちも同じこと考えてたよ・・・」
待て待て待て!!顔が節分のお面より怖いぞ!?鬼の形相っていうかこれを鬼が見たらまさに泣いた赤鬼になるってくらい怖いんだが!?顔だけで戦闘力53万超えてるよ!?
「お、落ち着いて2人とも・・・」
「私は落ち着いてるわよ?」
「右に同じく・・・」
待て待て!?あお姉はもしかしたら怒ってないかもしれないけれども!みずき、お前普段絶対右に同じくなんて言わないだろ!顔で人を判断するなって言われるけどこれだけは絶対そうだ!
しかし、俺には疑問がひとつ残る。
「なんで、お前らが怒るんだ?」
その質問をするまでは至極単純なプロセスだ。2人が怒った。振られたのは俺。ここの因果関係には何かが足りない。それを知りたかった・・・
というのはほとんど嘘のようなもので。実際は気持ちを知りたかった。さすがに鈍感主人公では無いから分かってるつもりではいる。が、ただこの2人がいわゆるブラコンじゃない可能性があるなら俺は賭けたかった。
「ごめん。質問を変えよう。お前らって、俺の事、好きなの?」
お前らに言う。こんな質問をするのはやめとけ。絶対自意識過剰なだけだから。っていうか、俺自身もこの質問をしちゃってる時点でさっきの2人がブラコンじゃないという希望の賭けは終わっていると言っても過言ではない。さすがにここでNOと言われたら立ち直れないしね。
俺は、100%YESが帰ってくる質問に逃げた臆病者の称号が送られるべきだ。っていうかこの質問絶対黒歴史だな。記憶から削除しとこ。
「私は、好きだよ?」
「うちも・・・」
「それは、どういう好きだ?」
「どうって・・・」
「LIKEかLOVEかだ。俺たちは仮にも血の繋がった姉と弟と妹なんだから。」
「私は、後者かな?」
「うちも・・・」
知ってはいたけどこうも言われると照れるな・・・って言うよりみずきの口数が少ないって思ったら顔真っ赤じゃん!七味唐辛子顔にかけたのってくらい真っ赤じゃん!デレデレやん!可愛すぎだろ!
「分かった・・・その言葉は聞かなかったことにする。あと、今日学校には行くから。それでももへの攻撃はやめてな。」
2人の顔から笑みがこぼれる。こぼれるって言うか笑み笑みパワーが溢れてきてこっちまで笑ってしまいそうだ。って知能指数幼稚園児の高校生がなんか言ってますよ。
「って、おにぃ!?学校行くの!?」
「おぅ。行くぞ?7時半には行くから準備しとけよ。」
「おぉ!任せとけ兄貴!」
「その呼び名はやめろ。あと、その子分的なキャラもだ。」
「つれないなぁ・・・」
「じゃあ張り切ってお弁当作るわね!!」
部屋に戻っては来たが、一つだけ不安が残る。
あお姉・・・弁当ちゃんと作れるのかな(震え声)
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