幼なじみに振られたら周りにブラコンな姉妹がいた。

第8話 The女の戦い

「みずきちゃん？私が嘘つきってどういうこと？」

「栗原先輩、しらばっくれるんですか？」

「えっと〜。単純に何を言ってるのか分からないんだけど･･･」

はぁ、と私はため息をつく。そして一呼吸置いてから言う。

「じゃあ単刀直入に言いましょう。あなた、彼氏なんていませんよね？」

「えっと･･･彼氏がいるってのは拓馬から聞いたの？」

「はい。それで少し気になって調べさせてもらいました。」

「え〜！何調べたの！？変なこと調べてないよね！？」

「話をそらさないでください。」

さすがはおにぃがコミュ力お化けって呼ぶだけありますね･･･話の逸らし方や、表情、目線。どれをとっても完璧です。でも･･･

「本性っていうか本音で話しましょうよ。そんないい子の皮なんて被ってなくていいですから。」

「えっと、何を言ってるの？」

「あなたは拓馬先輩のことが嫌いですか？」

「えっと、本当に何を･･･？」

栗原先輩がなぜおにぃを嫌っているかと考えるのにはちゃんとした根拠がある。

・彼氏がいないのに嘘をついた

・毎日毎日鬱陶しいと考えられる

・おにぃの女みたいになってるからモテない

・今日謝りもせずに目すら合わせなかった

「･･･以上の理由ですよ。第一に彼氏がいると嘘をつくのは、嫌いで離れて欲しいか好きで近づいて欲しいかのどちらかです。どっちかは考えれば分かります。」

「ふーん･･･そっか･･･」

ん？なんですか？なぜこの人は反論してこないんです？思っていた反応と違う･･･

「そっか、私、拓馬のこと嫌いだったんだ！なるほどね！」

は？この人は何を言ってるんですか？頭がおかしい人なんですか？正直言ってかなり恐怖を感じます･･･

「あ、私、恋愛したこと無かったからそういう事が分からないんだよね。でもいい経験になったよ！じゃあね！」

「あ、はい。それでは･･･」

「あ、そうそう。みずきちゃんだっけ？」

「え？なんですか？」

「私、そんなに裏の顔とかある様に見えるかな？」

うーん･･･話してわかったのはどちらの可能性もあるということ。こういうタイプの人は極端にいい人か、極端に裏表のある人の2択に分かれるからなぁ･･･

「あっ、変な事聞いちゃってごめんね！！」

「あ、いえ。大丈夫ですよ。」

「それじゃ！バイバイ！！」

変な人だったな･･･さて、私も帰りますか･･･ん？おにぃからメール？

「あお姉から買い物頼まれたからイヲンにいる。一緒に買いたいからお前も早く来いよ。」

何が一緒に買いたいだよ！バカにぃ！さっきまでの空気から一気に体から喜の感情が溢れてくる！

「それじゃ、また走りますか！」

今日のオカズは、コロッケがいいな！でもおにぃは焼肉とか言うのかな？その辺もっとリサーチしないと･･･

「って、メール来てから15分経ってる！やばいやばい！！」

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「うーん、遅いな･･･」

みずきから返事がない。何か変なことに巻き込まれたのか？

仕方ない･･･少し迎えに行くか。と、エスカレーターを上がっていた途中。

「ん？これは･･･」