第25話 それ、早く言ってよ〜

「んじゃ、授業はここまで。あとは各自復習しとくようにね。じゃ、さよなら〜」


終わったーーー!!!

月曜の6時限目終わりの開放感って言ったらたまんないね!この感覚・・・クセになるぜ(※彼はクスリをキメている訳ではありません)


「よし、賢治。帰るか。」

「俺はいいがみずきちゃんは?」

「あいつは友達と帰るってよ。これが・・・独り立ちってやつなんだな。」

「そうだな。そして俺の元に来るんだな・・・」

「そうだな・・・」

「え!?マジで!?いいの!?」

「お前の元に俺が行ってけちょんけちょんにしてやんよ!!!」


ふふふ・・・許すわけないだろ。みずきもあお姉も誰にも渡さない・・・って、シスコンじゃないから。あいつらみたいに恋愛感情はないならな!!


「んじゃ行くか。」

「オケ。どっか寄ってく?」

「ちょっとい〜れて!」


誰とも聞かずにわかる。この声・・・この感覚・・・この、天使が来たんじゃないかと錯覚させられる感覚・・・


「もも、どうしたんだ?」

「なんでお前は振り向かないで栗原だって分かるんだよ・・・」


ん?もも検定4段の俺に何を言う。俺になれば、声だけでなく、嗅覚でも感じられるね(ド変態)


「んじゃ久しぶりに3人で帰るか。」

「確かに久しぶりだね!」

「何日ぶりか分かんねぇけど結構長いだろうな。」

「この3人で帰るのは12日ぶりだな。」

「「なんで分かるのよ・・・(んだよ・・・)」」


なんでって、俺はもも検定4段だぞ?ももと最後に帰った日は彼氏告白された日で、その前の前の時に賢治がいたのを覚えてるぞ。


◇◆◇

「みずき・・・大丈夫かな?」

「お前過保護すぎだろ・・・」

「あんたそれはシスコンよ・・・」

「お前ら、なんでそんなこと言うんだよ!?」


メンタルブレイクされる!俺のライフを犠牲にしなきゃならないじゃないか!色々あって俺のライフはもうゼロよ!


「で、結局どっかよってくのか?」

「誰か行きたいとこある?」

「はいはい!私あるよ〜!」


あざと可愛いな・・・はいはいって2回言うところも、手をビシッと上げてるところも、ぴょんぴょんしてる所も・・・これがもし天然なら全人類惚れてるね。それが演技だとしても俺が惚れてるね。


「どこ?」

「如月のお姉さんが働いてるカフェに行きたい!」

「それはいい案だな。俺も賛成だ。」

「いやいや、なんでだよ。俺2日連続あお姉のカフェ行くのか・・・?それに・・・」

「ダメ・・・かな?」

「どこへでも行きますともぉぉぉぉ!!!!」

「お前ってほんとチョロいよな・・・」


やめて、賢治。そんな目で見ないで。

あお姉のカフェに向かう途中で会話は弾み、


「なんでももはあそこに行こうと思ったん?」

「それは、そのあお姉さんに会ってみたかったからだよ!」

「みずきちゃんと同じくらい可愛いぞ!栗原といい勝負じゃね?」

「基準がよく分からないよ・・・」


あの〜。誠に言い難い事なんですけど。


「ん、なぁ。ひとついいか・・・」

「もも、それは違う!あそこはコーヒーが美味しんだよ!」

「私は苦いの飲めないからココアとかだよ!」

「それは損だぞ!?」

「じゃあ少し飲ませてよケチ。」

「関節キスとか気にしない・・・のか?」

「なにぃ〜?大伴君はそんなの気にしちゃってるの!?」


いや〜あの。盛り上がってるとこ悪いんだけど・・・


「ついた!それじゃコーヒー対ココアの決着をつけるよ!」

「望むところだ!」

「ひとついいか?今日、あお姉シフトじゃないぞ・・・」


この後、ココア派(もも派)に俺がついたことにより賢治は惨敗してたざまぁ。

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