幼なじみに振られたら周りにブラコンな姉妹がいた。

あおぶた

【今からでもまだ間に合う!これさえ見れば追いつける!】第1章総まとめエピソード 〜前編〜

俺、 如月拓馬 には好きな人がいる。いわゆる幼なじみというやつだ。ずっと昔から一緒にいた。どんな時でも離れないでもはやカップルだろって言われたこともあった。俺は知らぬ間に俺たちは両思いだろうなんて、思っていた。


◇◆◇


その日も朝からその幼なじみである 栗原もも と一緒に登校していた。なんだこいつ、可愛すぎんだろ。なんで世界美女ランキングに入ってないんだよ?まぁ、有名になると俺も困るしいいか。それにしても可愛いな。天使じゃん。コレ見てるだけでやる気みなぎってくる。今日も頑張るか・・・


そして、学校が終わってまたしても2人で下校していた。これ夫婦だろ?カップルだろ?ふふふ・・・妬めお前ら羨めお前ら!


「じゃあな!」

「うん!また明日!」

「あ、そういえば聞いてよ!」

「ん?どした?」

「私!彼氏出来たから!!」


え・・・嘘だろ?まさか、え?本当?嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!

いつの間にか俺は逃げ出すようにそこから去っていた。


その日から俺は何に対してもやる気が出なくなった。めんどくさい・・・動きたくない。親の声掛けにも応じず、飯も部屋にあった保存食を食べ。完全に引きこもっていた。あ〜。ラノベおもろいし、ゲームは楽しいわ。こんな生活も悪くないな。

自分が堕落していってることくらい分かっていた。でも、それくらいこの傷は深くて。中々直ぐに癒えるものでは無かった。



ガチャリ


その音がしたのは引きこもってから2日か3日後の事だった。そういえば親父は最近旅行とやらに行ってしまったらしいのだが。忘れ物でもしたか?それとも愛しい息子に会いに来たのか?

なんてくだらないことを考えていると1回から声が聞こえた。


「たっくん〜?久しぶり〜!!」

「おにぃ!元気にしてた!?」


これは、女の子の声?どこかで聞いたことがあるような・・・って、おにぃ!?たっくん!?この呼び方・・・どこかで聞いたことがあるような?まさか!!


俺は自分の部屋の戸を開く。自分で開くのは昨日のトイレ以来だ。珍しいなってそんな話はどうでもいい!今はそれより・・・


「まさか、みずきとあお姉!?」

「見てみて、みずき!たっくんったら随分男前になってるわよ!」

「お姉ちゃん!おにぃがかっこよくなってる!」


そこに居たのは俺が昔一緒に暮らしていた姉妹だったのだが・・・え、マジ!?こんな可愛いんすか!?色々成長してるよ!?こいつらと一緒にいたら俺確実に不審者だよ!?親の離婚で離れたとはいえ、俺と血繋がってるのに何だこの差は!


「そもそもここに何しに来たんだよ・・・ってか俺の父ちゃんは?」

「たっくんのお父さんは私たちのお母さんの家に来てるよ?」

「お前らのお母さんって確かキャリアウーマンだよな?復縁でもするのか?」

「ごめんね。その辺は知らないの。で、私たちはこれから同居するのよ?」

「え?なんで?」

「たっくん、引きこもって出てこないって・・・」


なるほどね。俺の精神安定剤か。完全に理解した。


「そういえばお前ら何歳なんだ?」

「私は19よ?」

「うちは16!」

「ん?みずきが16ってことはまさか高校同じ・・・?」

「そゆこと!」


なんか色々面倒くさくなりそうだな・・・


「じゃあ早く学校行こ!!」

「もう昼だろ?」

「たっくん?今はまだ朝の6時だよ?」

「そうなの!?ってお前らどんだけ早く来たんだよ・・・」

「じゃあ行こいこ!」

「学校は・・・怖い・・・」

「そういえばなんでおにぃは引きこもっちゃったの?」

「いや、話したくない。」

「話してごらんって・・・ね?」


〜10分後〜


「そのももって人、家近くなんだよね?みずき、行くわよ。」

「了解だよお姉ちゃん。おにぃをこんなにした復習を・・・」

「待て待て!!わかった!分かったから!学校には行くから復讐だけはやめろ!」


だがここで1つ不思議な点が残る。


「お前らが俺の事を庇ってくれてるのって、俺の事・・・好きだからか?」


ここから先は題名で察するか4話を読んでくれ。


◇◆◇


なんだかんだあり俺たちは学校に行くことになった。教室を開けるてもほとんど誰もこっちを見向きもしない。しかし、後ろから・・・


「拓馬じゃん!どこ行ってたんだよ?」

「目立つのは嫌だ。詳しくは俺の席でだ。」


こいつは 大伴賢治 紹介するなら俺の親友という立場だろう。俺の席でことの一旦を話す。すると、


「そのももの彼氏って誰のことだ?」


と馬鹿なこいつは普通の声で言ってしまった・・・これがどういうことがわかるだろう・・・


クラス中がざわめき出す。ももに彼氏が出来たって事がトレンドに入ったのかの如し、この話は某ゲームの口癖くらいのスピードで伝染していく。


そんな中、本人であるももはこの教室の中に入ってきてしまった。こんな中ももが来たらどうなるか分かるだろう。


「なぁ、もも?彼氏出来たってほんと?」

「拓馬と付き合ってたんじゃねぇのかよ!」

「え〜俺もも狙ってたんだけどなぁw胸あるしw」


おい三人目でてこい。ぶちのめしてやる。そんな下心丸出しなやつにももは渡さない!


「いや〜俺もものこと好きだったんだけどさ。さすがに彼氏できたって言われたらな。」


言ってて悲しくなる。胸が苦しくなる。辛い・・・痛い・・・

そんな痛みから逃げるために俺は思わず教室を飛び出していた。


「なぁ、どこ行くんだよ?」

「賢治・・・なんで着いてきた?」

「屋上の鍵をたまたま持っててな。愚痴なら聞くぜ?」


やば。惚れそう。賢治と友達でよかったって改めて思う。こういうやつが1人いるかいないかで学園生活ってだいぶ変わるぞ?


この後、先生やクラスメイトから謎の慰めを受け自体は無事に終わった・・・はずだった。


「如月先輩!ご飯食ーべよっ!!」

「みずき!?こんな所で何してんの!!」

「そんなことより一緒にご飯食べよ!!」


あれ〜?おかしいですね。さっきまで慰めてくれてたクラスメイトはどこへ行ったんですかね。みんな嫉妬による殺意の目してますよ。俺今日呪い殺されるんじゃね?


「お前・・・誰だ?」


やめろーーーー!!!賢治やめろ!それ以上関係をややこしくしないでくれ!さすがにそこまで拡大するとめんどくさい!


「あなたこそ誰ですか!私はあなたに用はないです!」

「いや、俺は拓馬の大親友の大伴 賢治だ!お前が拓馬のなんだが知らないが仲がいいんだとしても、俺のことすら知らないとはな・・・」

「あらあら、あなたこそ自称大親友のくせして、私の事聞かされてないんですね!!可哀想に〜」

「お前らやめろやめろ!!続きは中庭でな!?弁当食いながらな!!」


◇◆◇

「え?みずきちゃんって拓馬の妹なの!?どうりで可愛いと思ったわけだ!」

「も〜。お世辞が上手いんですから〜。」

「お世辞じゃないよ〜!」

「大伴先輩、今日おにぃのこと慰めててくれたんですよね!?」

「そんなの当たり前だよ〜」

「そうだ!LINE交換しません!?」

「いいよいいよ!!交換しよしよ!」


なんだコイツら・・・俺いらないだろ。雨降って地固まるどころか、固まりすぎて踏んだら足痛くなってるわ。コンクリになってるわ。とりあえず、俺の前でイチャつくなら爆発しとけ。


「ま・・・お前らが仲良いならいいか。」

「ん?なんか言ったか?」

「なんも言ってねぇよ。」

「ちょっとおにぃ、そういうの1番気になるヤツ!」


◇◆◇

「で、みずきちゃん。LINEで呼ばれたけどなんの用?」

「大伴先輩。来てくれてありがとうございます。ちょっと教えて欲しいことがあって・・・」

「呼び方、賢治でいいよ。それで、何についてかな?」


「栗原 もも についてですよ・・・」

◇◆◇

「そういや、お前5時間目の終わりどこいってたんだ?」

「あ〜。告白されてたわ。」

「え〜!賢治先輩モテモテなんですね!!」


こいつ、下の名前で呼ばれてたっけ?まぁいいか。


「あっ!弁当学校に忘れちゃった!悪いけどおにぃ、先行ってて!」

「ん?あぁ。わかった。」


あいつが弁当を忘れる・・・?意外とみずきは準備とかちゃんとするタイプだと思ってたが違ったのかな?


◇◆◇

「で?私をこんな所に呼んで。なんの用なのかな?みずきちゃん?」

「わざわざ放課後に残ってくださってありがとうございます。」

「そりゃ、いきなり知らない人から連絡が来たからびっくりはしたけどね・・・で、要件は?」

「先輩・・・なんで呼ばれたかは分かるんじゃないですか?」


彼女の心に届くように大きい声でこう放つ。


「分かりますよね?大嘘つきの栗原・・・いや、もも先輩?」

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