第4話

「もうすぐ着くぞ〜。寝ているやつがいたら起こしてやっくれ〜。」




そう言われたので俺は隣で呑気に寝ている陽を起こすことにする。ただ呼びかけて起こすのもつまらないので、手元にあった輪ゴムで起こすことにする。




「陽〜起きろよォ」


そういった瞬間に伸ばした輪ゴムを陽の手にぶつけた。


「痛った!!なんだ!?何があった!?」


「おはようございます、京都に着いたぞ」


「いや、なんで起こすのに輪ゴムが必要なんだよ!普通に声かけてくれればいいじゃねぇか!」


「こっちの方が目が覚めるだろ?それに単純に声かけて起こすなんて面白くないじゃん。」


「後者が本音だろ!おい!」




負け犬が吠えているように思うが無視する。




「…陽、うるさい」


雨宮さんがそう言ったので渋々


「わかったよ…」


と納得していた。うん、平和である。




「やっと着いた〜」


「マジで長かったね!」


「いや、あんたら寝てたからそんなふうに感じてないでしょ!」


「それな〜」




そう言って北風達はバスを降りていった。どうやら木村さんと、中村さんは寝ていたらしい。昨日の晩御飯に並にどうでもいい。




「そんじゃあ、俺達も行くか!」


陽がそう言って俺達も新幹線から降りる。




もう一度バスに乗る。一日目は能を鑑賞した。中には寝ている人もいるが、俺はずっと鑑賞していた。声の出し方の独特性や楽器の音色に感動した。




それが終わるとホテルに向かった。携帯は持ってきているのだが、名目上は迷子になった時の通話や、マップの確認などで遊ぶためでは無いのだ。というわけで…




「う、うわぁ〜ん!!スマホよォ!今までありがとう!さよならァ!」


「お前には今まで世話になったな…ありがとう…俺はこれから死地に向かう。俺が生きていればまた会おうぜ」


「スマホ使えないとかまじありえないよねぇ」


「ほんとにねぇ」




携帯の没収される。もちろん明日の朝にはへんきゃくされるのだがな。


上2つは男子 下二つは女子の回収してるところの会話なのだが…男子がヤバすぎる。明日には帰ってくるのに永遠のお別れをしているやつも居れば、戦場に向かう歴戦の戦士みたいなことを言っている奴もいる。これ…毎日するつもりなのか?






陽も少し抵抗していたがすぐに携帯を出した。俺なんか迷わず先生に渡した。




俺たちの部屋に入ると


「うぉーすげぇなぁ!」


「あぁ、なかなかに広い!」


「寝る場所が足りず、俺たちの中で戦争が行われるのかと思ったが、そんな心配はなさそうだな!」




せ、戦争が行われる予定だったのかよォ…


ただの枕投げを行うだけだよなぁ?そうだ、きっとそうに違いない。




今更だが、俺の部屋班は、俺と陽、クラス委員長で陽キャの菅野悠斗だ。俺たちはもってきた荷物の確認をして時間を潰す。






「お、時間だな。さぁ、メシ食いに行くぞー」


「「おぉー」」


菅野の声に反応して俺と陽も食堂に向かう。




出てきたご飯もイメージ通りというかかなりの和食だった。




そうしてご飯を食べ、風呂に入ったあと23時までには寝た。


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