第8話 Side北風真美
今は時刻13時。
班のみんなと昼ご飯を食べて京都を探索していた。班は仲のいい私たち4人組と男子は学年のイケメンで有名の森本隼人くんと森本くんと仲のいい岡田くんと、山田くんだった。
トイレに行きたくなって私1人だけトイレに行った。
「おまた……」
「この後、近くのショー見に行くからそこで私たちとはぐれたって言うことにして、隼人君と真美は2人で行動するの。」
「そこで連絡して待ち合わせ場所に恋愛の縁がある神社に決める。」
「そこに来るまでに話して、印象を上げて神社で私たちと合流したら隼人くんが真美に告白するだけよ。こういう感じで良かったよね?」
「あぁ!本当にありがとう!俺のために。必ずお礼はするよ!」
「別にいいよ〜。気にしないで!」
「あぁ!気にするな!友達のためだしな!お礼なら付き合ったっていう報告をくれよ!」
「私たちも真美ためだからね〜。隼人くんみたいな人なら真美も彼氏にしたいだろうし〜。」
そんな会話を偶然ながら聞いてしまった。どうしよう…か…。正直に言うと森本くんが私を好きなのは何となく感じていた。だから、この会話を聞いても予想通りとしか言えない。
しかし動揺していた。私は告白されても返事は断るつもりでいた。別に彼氏がいるとかそういうのではないんだけどね。付き合うつもりがないというのもあるが、それ以上の理由がある。
私に話しかけて来る男子や、告白してくる男子は胸、顔とか外見しか見てくれなくて中身を全く見てくれないからだ。森本くんもその1人。話してくる時に身体しか見ていない。
男子はみんな私の身体にしか興味がないんだ…
そう思ったら猿にしか思えなくなった。でも、告白されるっていうことは、優越感を感じる。
他のみんなより私が可愛いんだ。
そう思えたから。
私は自分で言うのもなんだけど外見は可愛い方だと思う。それに胸はみんなよりは少し大きいと思うし、ウェストも細い。もちろん運動とか努力はしている。だから、あとは優しくしたらコロッと落ちる。
本当に単純な生き物だ。尚更猿にしか見えない。
森本くんもその1人だった。だから、私の返事は既に決まっていた。それに森本くんは偶にすごく怖い…と感じることがあったから。
だけど今回はちょっとピンチだ。神社で歩香たちがいる中で告白されてしまったら断りづらい。別にそれだけならいいのだが、学年で一番と言われるイケメンの森本くんの告白なのだ。
この後の班行動がしずらいというのもあるのだが、断ったとしても歩香達はオススメだと思っているから推してくるだろう。そうなると、断れなくなって付き合ってしまうだろう…
どうしよう…
動揺していると、茜が
「あ、真美帰ってきてたんだぁ!近くでショーやってるみたいだからさぁ、行こうよー」
思考が途切れてみんながいる方を見て
「そーなんだ!待たせてごめんね?見に行こうよ!そのショー!」
そう言って、とりあえずショーに向かうことにする。
ショーは結構人が多く侍が刀を振っていた。
ほぉ〜かっこいい!こういうショーをなんて言うか忘れた。みんなも集中しているようなので、役者同士が戦っているいいシーンでみんなから離れる。
「あれっ?真美ちゃんがいない!真美ちゃーんどこー?」
なんて言う声も聞こえてくるが無視だ。
途中で私と同じようにコソコソとショーから逃げるように歩く隣のクラスの野球部3人組を見つけた。
人混みから抜けたあとはそこから離れるように走った。細い道を抜けてきたので、みんなにはバレないだろう。
息を切らしながら河川敷を見つけたので、川の近くまで降りようとしたら
「痛ッタ!!」
足に痛みがはしった。その瞬間に挫いてしまい、階段を下る途中でコケてしまった。
痛みを我慢して、近くの橋の下までいどうした。
最悪だ…本当に今日はついてない…
勢いでここまで来ちゃったけど、ここからどうしよう…
だれか、誰でもいいから助けて…
そう思ったら、私は泣き出していた。
泣いてもどんどん辛くなっていき、とうとう口に出してしまった。
「ヒッグ…うぅ…、助けてよ…」
そういうのと、誰かが私の方に向かう音がする。
最初は幻聴とも思った。けど違った。
「あぁ〜、えっと、大丈夫か?」
そうやって誰かが声をかけたので上をむくと、根暗そうな男の子が私の目の前にたっていた─
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