第22話

今日は土曜日。本来なら休みの今日だが、俺たちは学校に向かっている。


本祭8時半に開幕して、3時に閉幕する。そこからは後夜祭で4時まで行う。かなりの重労働だ。これで給料出ないんだもんな。残業まで沢山したのに。思い出なんかきっと残らんのに。


月曜からも俺は居残り予想通り水曜日には完成した。陽にはすごい感謝されたが、残り2日で机並べて仮面置くとか、椅子並べるとか、他のグループの手伝いとか重労働かつ、めんどくさいのは全て陽にやらせたのでどっこいどっこいだろう。


みんな頑張っていたが、ところどころ怖かった。陽は「文化祭って一眼レフOKだっけ?俺の所持金で買えるか?いや、たしか家にあったはず…」なんてことをずっとブツブツ言ってた。多分雨宮さんのメイド姿を撮りたいんだろうな。これはまだマシな方。


酷いやつは「盗撮用のカメラって売ってるっけ?インターネットで探せば…」「魚眼レンズて隠し撮りしたらより広範囲で北風さんたちのメイド姿を撮れるか…」「俺今日から盗撮術の道場に入門しに行くわ」


このクラス犯罪者予備軍多すぎない??どれも犯罪なんですけど?盗撮が犯罪ではないと言わんばかりの勢いだが、盗撮は犯罪です。絶対にしないでください。って言うか盗撮の道場って何?!そんなのあるの!?ここら辺の警察はきちんと機能しているのか??


まぁ、文化祭を楽しみにしているという意味では命をかけるレベルで待ち望んでるらしい。うん、いい事だ。いい事か??


俺は悩んだ結果一応姉には連絡することにした。予想通り


「神楽の文化祭!?行くよー!最近会ってなかったし、その日仕事ないし!」


と言っていたが「無理すんなよ」と釘は刺しておいた。来るかどうかは分からないな。


今は8時15分であと15分で開幕だ。今はクラスで集まり、ハッピを着ている。これも買ったらしい。随分とやる気がたくさんのことだ。


そう思っていたが、陽曰く、


「そんなこと言ったら5組なんてメイドの衣装を1から採寸して作ってるらしいぜ」


これには驚いた。1からってすごい努力とやる気だな。それに比べたらうちのクラスはマシか。



そうして着替えが終わるとクラスで円陣を組む。


「絶対優勝するぞ!」




「「「「「「おーー!!!!!」」」」」」



うん、気合いは十分みたいだな。俺は仮面売りの店番だから特に頑張ろうなんて思えないし、気合いも入ってないが。


「そういえばシフト、どうする?」


円陣が終わり、俺と陽の二人になったあと陽に聞いた。というのも基本的に俺は文化祭を回るつもりは無い。だって陽以外この学校では友達なんていないから文化祭は1人で回ることになるのだが、1人で回るなんて勇気がいる行為は俺には出来ない。


だからずっと店番でもいいって言ったんだが、


「さすがにそれはダメだろっ!お前も残りの高校生活のうちにあと2回しかない文化祭の1回だぞ!?ぶらぶらするだけでもいいから、楽しんでこい!」


と言うことで陽がデートに行く時のみ、俺が店番だから、俺のシフトは陽が決めることになる。楽しむ為に店番したいんだけどな。1人で歩く方が辛いぞ。



「最初は頼む。1番にメイドの海咲見るって約束したから。あとは海咲が休みの時に抜けさして欲しい。」


「わかった。」



そのまま今日は遊んでくれていても全然OKなんだけどな。むしろそうして欲しい。こっちに帰ってこないで欲しい。


はぁ〜。憂鬱だな。


そうこうしていると



『それでは只今より!!佐倉高校文化祭を開幕します!!!』


そんな放送が学校中に鳴り響いた。


無事にめんどくさいことが起こらずに終わりますように。フラグじゃなく。


そしてその放送を合図に波乱の文化祭が始まった──








後書き

ついに文化祭開幕です!!


今回短くてすみません。


北風さんも登場がなくて申し訳ないです。


少しでも面白い、続きが読みたいと思ったら★とレビューをください!


「クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える」もよろしくお願いします!!

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