概要
その村は、海の向こうから大陸に襲来した連邦軍との戦役に巻き込まれ、抗戦の末に全滅する。
ソフィと、連邦軍将兵に『白銀の悪霊』と恐れられたリクラフだけを残して。
強力な戦闘力を持つ"伴侶亜人類"の存在する世界。
土着民族は、それを「神様」として敬った。
彼らを侵略した連邦軍は、それを「兵器」あるいは「労働力」と見なした。
そうした摩擦が新たな歪みを呼び込む中で、過去の因縁からリクラフに憎悪を抱く連邦軍の女性兵士エリザ・ウィルダと、連邦軍統治下で何よりも愛するリクラフと引き離されたソフィが出会う。
エリザは、背負わされた宿命と決着をつけるために。
ソフィは、たったひとつの願いのために。
かつての戦役で、唯一連邦軍を苦しめ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!凄まじい発想の軍記物語
啓霊《けいれい》あるいは伴侶亜人類《プロクシーズ》、そう呼ばれる強力な戦闘力を持つ生物が存在する世界。
彼らは『信用』で動く。そのために、信用を紙幣など様々な形で、保管したり運用したりする技術が発展している。
これだけで、凄まじいギミックだと言わざるを得ないのですが、それ以外もまた素晴らしいです。
なにが正義で、なにが悪なのか。だれが加害者で、だれが被害者なのか。
なにもかも白黒つけられない中で、人々がすれ違い、断絶する。
陰謀と策略がうごめく大陸で、なんとか自らの本懐を遂げようとする人々の姿が巧みな筆致で描かれています。
是非とも読んでいただきたい作品です。 - ★★★ Excellent!!!愛憎と信頼のファンタジー軍記物語。
相容れない者を、思想を、文化を、人はどの様に認めるのか。
或いは決して認めない為の理論を、どの様に構築するのか。
人は人である以上、何かに縋り、依って生きるしか無く、更に己が寄る辺の存続を脅かす存在は『悪』と断ずる程に傲慢、もし仮に、この世界に、神にも近しい存在がいたなら、人間に対してどんな想いを抱き、どの様に振舞うのか、そして人間はその神に対し、どんな想いを抱き、どう振舞うのか。
このお話は、そんな『もしも』を綴ったファンタジー……だと思う次第です。
ファンタジー軍記物と呼ぶべきジャンルでしょうか、骨太な軍人らしい考えに基づき行動する主人公・エリザと、大いなる力の秘密を握るもう一人の主人…続きを読む - ★★ Very Good!!信仰と信用と
伴侶亜人類。
読みはプロクシーズ。
片方は信仰を以て、もう片方は信用を担保に、人に似た身のプロクシーズを戦いに駆り出す。
そういう世界の物語。
ファンタジーのような、SFのような独特の手触りを感じました。
主に女性軍人の一人称で語られますが、出てくる人の一人一人に人間味とユーモアがあって、とても良いです。
人がいる。人がちゃんといる。
大好きなんですそういうの。
プロクシーズが何者か、何を意味する名前なのか、二人の女性の今後は、などなど、語られる日を心待ちにしつつ追いかけて見て下さい。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
2章「アリゴレツカの神灯(2)」まで読了。
私の評価ポリシ…続きを読む