凄まじい発想の軍記物語

啓霊《けいれい》あるいは伴侶亜人類《プロクシーズ》、そう呼ばれる強力な戦闘力を持つ生物が存在する世界。

彼らは『信用』で動く。そのために、信用を紙幣など様々な形で、保管したり運用したりする技術が発展している。

これだけで、凄まじいギミックだと言わざるを得ないのですが、それ以外もまた素晴らしいです。

なにが正義で、なにが悪なのか。だれが加害者で、だれが被害者なのか。
なにもかも白黒つけられない中で、人々がすれ違い、断絶する。

陰謀と策略がうごめく大陸で、なんとか自らの本懐を遂げようとする人々の姿が巧みな筆致で描かれています。

是非とも読んでいただきたい作品です。

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