概要
ヤクザの代打ちとして日々勝負にいどむ一人の男――榊竜馬もまた、将棋の腕っぷし一つで生き延びてきた真剣師であった。ある日トラックに撥ねられてお約束の流れに乗るまでは。
今日も今日とて、一攫千金、将来安泰、老後は別荘で酒飲んで将棋の夢をかなえるため、竜馬は『真剣』に命を懸ける!
クズが通るぞ当たるといてぇぞ「異世界×将棋×ピカレスク」!
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!一点突破!痛快ゴラク!フルスイングな爽快感!
主人公リョマは、ホントにヒドいヤツです。
「えげつなー」
でも、どんなに狼藉を働こうと、そこに虫唾の走るようなイヤラシさがない。
むしろ美しい。
…実際に接したらそんなこと言えないだろうけど。
自分の規範というモノを貫いてるんです。
ただ、その規範が、所謂社会の規範とは必ずしも一致していない、ということで、リョマは紛れもない「悪党」。
かなり危ない橋を渡ってるけれど、自分の規範と領分をわきまえてる。
わきまえてる、が、その上で遠慮というモノがまるでない。
つまりコレ、ピカレスクの王道。
しっかり振り切った面白さ。
コツコツ当てに行くのでも、ヤケクソに大物狙いで大振りするのでもなく、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ただ強い者が勝つ。それがたとえ“異世界”であっても。
“将棋”ほど公平で奥深いゲームはない。
年齢も、性別も、性格も、運も、言葉でさえも関係ない。
ただ強い者が勝つ、という単純明快な戦い。
それがたとえ“異世界”であっても。
言葉も文化もわからない。そんな世界に放り出されたら、普通の人間はそこで“詰み”だ。
でも、その世界には“将棋”があった。
笑えるくらい口の悪い主人公の一人称の語りが、不思議なほどにクセになる。
主人公が異世界で好き勝手に生きている様子をずっと見ていたくなる。
本当に強いのは、自分の中に譲れない芯を持っている人間だ。
それに気付いたとき、クズなはずの主人公のことを、いつの間にか好きになっていた。
将棋のことがわから…続きを読む - ★★★ Excellent!!!言語も文化も違えど通用するもの……それが将棋!
互いに金を賭けて将棋を指す裏の世界のプロ棋士、それが『真剣師』。本作の主人公、榊竜馬もそんな真剣師の一人。ある日代打ちとしていつものように大勝負に勝った竜馬だが、相手の八百長を断ったからか、あるいは態度があまりにも無礼すぎたからか、数日後トラックにはねられて殺されてしまう。
これで死んだかと思った竜馬は例によって異世界に転生してしまうのだが、彼にはチートな能力もなければこの世界の言葉すらわからず、野垂れ死にまったなしだ。しかしこの世界には彼にとって有利な条件が揃っていた。なぜか将棋が流行っているのだ! 子供の頃から将棋の腕一本で生きてきた竜馬にとってこれは何よりのチート!
かくして始まる…続きを読む