コンボを開発する、という話

 私がコンボ練習が嫌いだという話は以前にもしたのだが、これよりさらに大変なことがある。それがコンボの開発である。初心者がコンボを練習するとなるとまず参考にするのは攻略ムックやwikiということになるだろう。実際、私も基本的にはそういうものに頼ることになる。最近の商業格闘ゲームではトレーニングモードに基礎的なコンボを表示して練習させてくれるモードなんかもあったりするのだが、格ツクゲームはプレイ人口が決して多くないためにwikiにもコンボがほとんど載っていないということがよくあるのだ。そうなると自分で生み出すしかなくなってくるのである。


 さらにいえばコンボには様々な目的がある。基本的に最大のダメージが与えられるように考えていくのだが、ゲージ状況や相手の重さ、大きさによって入るコンボが変わったり、また当たった技の位置によっては繋がらなかったりする。また倒しきれない時は相手をダウンさせて起き攻めをしやすくするといった目的のコンボもある。しかし練習では落ち着いてできても実戦となるとまったく頭が追いつかないということはよくある話だ。


 そういうときはヒット確認や状況確認が少なくて済むコンボや手が忙しくなく入力猶予の長い簡単なコンボが欲しくなる。いわゆる妥協コンボというやつである。妥協コンボはダメージが劣ることと練習すれば克服できるということからパーツすら載っていないことも多い。練習嫌いの私にはこれが必要になってくるので自然とコンボを自力で探さなくてはならなくなるのだ。


 しかし妥協コンボを作るのはそれほど難しくない。最大コンボを探す場合は技そのもののダメージや補正などを考えながら構成を考える必要があるが、妥協コンボならせいぜい考えることは楽な入力とコンボ終了時にダウンが取れたらいいな、くらいのものである。元から難しい繋ぎは排除するので、既存のコンボの難しい部分に代わるパーツがないかと探すくらいのものである。


 問題は本当に一からコンボを作るときである。特によくコンボゲーと呼ばれる通常技のキャンセルルートが複数あるゲームでは繋ぎ方も相当に広がっていき簡単にルートを決めることができなくなってくる。また仮にガードされたときのことを考えてどこまでにヒット確認をするのか、不利が小さくて済む技はどこかという部分も考えていかなくてはならない。激しい攻防の中で考えることは難しいので、練習段階から意識していなければならないのだ。


 さらに言うと、元々コンボが苦手な人間がコンボ開発をしようと思うと、どうしても確認作業に時間がかかる。つまりこのルートは繋がらないのか、それとも自分が単にコンボを失敗しているだけなのかわからないのである。これは無理だろう、と見切りをつけた技が後から繋がることを知るというのも珍しいことではない。普段から練習していないせいでこういったところでまた時間をとられるのである。


 そしていざ実戦で使ってみると、始動技が思ったより入らない。先端で当てると次の技が繋がらない。実はアドリブでルートを変える必要があるといった問題点が簡単に出てくる。必死になって生み出したはずコンボが他のプレイヤーにそれを上回るルートを使われて、内心ショックを受けることもある。そういうときは経験を活かしてまた新たなコンボ開発に勤しむことになるのだ。


 近年はネットによる情報の流通、プレイヤー同士の交流が簡単になったので、素直に聞いてみたりコンボパーツをSNSに載せたら誰かがそこから伸ばしてくれたりということもよくある話だ。無理せずそういうものに頼っていく方が私のような人間には合っているのかもしれない。


 以前にも述べたようにコンボは一人で練習できることと勝利に直結しやすいことから、いくらでものめり込むことができる格闘ゲームの要素である。一種のパズルゲームをしているような気分にすらさせてくれる。これもまた格闘ゲームの楽しみ方なのだ。とはいえ私はやはり対人戦をしながらぶんぶん技を振り回すのが大好きだ。なかなかトレーニングモードに行かないまま、あとちょっと練習しておけば、と負け越した戦績を見て一瞬だけ反省した後、すっかり忘れてしまうのだ。

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