飛んでいる敵を落とす、という話Ⅰ

 諸君私は対空が好きだ、諸君私は対空が好きだ、諸君私は対空攻撃が大好きだ。

 通常対空が好きだ、無敵対空が好きだ、空対空が好きだ。

 立ち小パン対空が好きだ、下段対空が好きだ、置き対空が好きだ。

 ロケッティア対空が好きだ、特殊ガード対空が好きだ、空中投げ対空が好きだ。

 格闘ゲームで行われるありとあらゆる対空攻撃が大好きだ。

 高めの飛びをガードし、着地硬直を投げるのが好きだ。

 相手の飛びをダッシュで潜り、背面から昇竜を当てたときなど心が躍る。

 対空フレーク! 対空フレーク! 対空フレーク


 よろしい、ならば対空フレークだ。




 そういうわけで今回は私が愛してやまない個人的格闘ゲームの華、対空について考えてみたい。


  対空とは文字通りジャンプした相手に攻撃を行なって反撃することである。あくまでジャンプなので漢字の意味を考えると跳ぶの方が正しいとは思うのだが、格闘ゲームではもっぱら飛ぶを使うので今後もこちらに表記を合わせる。


 ではそもそもどうして対空が大切なのか。それはジャンプ攻撃はリターンが大きいからである。ジャンプ攻撃はコンボの起点となる攻撃が多く、そのダメージ量も多い。また攻撃は以前に話した中段技ということになるので、ガード崩しとしても効果がある。ジャンプ攻撃を事前に落とすということは相手にとってリターンの大きい行動を制限することにも繋がり、対戦を有利に進めるために重要になってくる。


 さてでは次にどうやって落とすか、である。答えは単純で上方向に強い攻撃を早めに出しておく、というのが最も簡単な回答になる。格闘ゲームは本来対空が想定されており、多くのキャラに対空に使えそうな上方向への技が用意されている。これはキャラの個性にもつながっており、たくさんあるキャラ、強力なものが一つあるキャラ、有効な技がほとんどないキャラと自分が使用するキャラに合わせて対空をしてやる必要がある。


 まずは通常技、つまりボタンを押せばすぐに出る技による対空だ。動きで言うとアッパーや通天炮つうてんほうのような攻撃、それから上段回し蹴りや蹴り上げ、意外なところではかかと落としやジャブも役に立つ。空中ガードがあるゲームでもこういった技は空中ガード不可に設定されていることが多く、空かし飛びも落とすことができる。また、しゃがんで相手のジャンプ攻撃を空かし、降りてきたところに足払いを当てるというのも立派な対空だ。


 ボタン一つででき、手軽であることが最大のメリットで、必殺技でキャンセルしてそのままコンボに繋がればまとまったダメージも与えられる。デメリットとしてはやはり無敵のない技が多いことだろう。相手の攻撃がこちらに当たって対空を失敗しやすくなるし、特に弱攻撃による対空は相打ちになってもダメージ負けしてしまうことがあり、のけぞりの関係で強引にコンボを入れられてしまう場合もある。とはいえやはりとっさの判断を要求される対空ではこれが基本となる。しっかりと有効な技を知ってうまく使っていきたい。


 次は必殺技による対空だ。基本的には昇竜と言われる上昇系の攻撃が使われる。必殺技はコマンド入力が必要なため、とっさに出すことが難しいが、代わりに無敵状態が付与されることが多く、相手の攻撃と重なっても一方的に攻撃を当てることができる。また上昇する技でなくともキャラの周囲を囲むように判定が出る技や、無敵のある技でジャンプ攻撃をすかし、着地した相手に攻撃を当てるという使い方で対空することも出来る。


 コマンド入力がある分難しいがその分効果は高く、タイミングさえ合えば落とせない技が少ないのが特徴だ。デメリットとしては攻撃をガードされた場合に反確がつくことが多く、システムによってはやや使いにくい印象を受けることだろうか。また必殺技には対空に向いた技がない、というキャラもいるので、そういう場合は別の手段を考える必要がある。


 次に空対空という方法がある。これは相手のジャンプに合わせてこちらもジャンプして相手を打ち落とすという対空だ。相手は攻めるために前にジャンプしながら下に強い判定の攻撃をしようとしているはずなので、垂直にジャンプしながら横に強い攻撃を出せば相手を撃ち落とせるという計算である。


 使う技は横に強い技の他に発生の早い弱攻撃や、リターンの大きい強攻撃までキャラによって使い分ける。垂直ジャンプをしているうえに追い返すため追撃が難しく、大きなリターンは見込めない。ただコンボゲーの場合はカウンターヒットからダッシュキャンセルなどを使って追撃が可能だったり、ダウン追い打ちがあるゲームもダメージがとれたりする。また相手の攻撃の上から殴るという性質上、ジャンプが間に合ってしまえば打ち負けることが少なく安定感のある対空といえる。


 また上に飛ぶということは相手の飛びこみを存在判定で押し戻すことができるので、飛びの距離が浅くても深くても同じ技で対空することができる。ジャンプ攻撃をめくり(背中側に攻撃を当てること。ガード方向が逆になるのでガードしにくい)を狙ってくる相手には有効な対空といえるだろう。


 また発生の早いジャンプ攻撃を前に飛びながら昇りで出して当てる対空(ロケッティア対空)や逆にバックジャンプしながら昇りで攻撃を置いてくるような対空(逃げッティア対空)というようなものもある。前者は比較的出しやすく、後者は守りとして手堅く立ち回ることができる。


 対空は地上戦以上に選択肢が多く、またそれによってプレイヤーの個性が出やすいと私は思っている。強気にリターンの大きな技で迎え撃つ、反応速度の早さを生かして昇竜を撃つ、リスクを徹底的に避けるため逃げッティアを多用する、といった具合である。自分がジャンプで飛び込む際にはその後の展開だけでなく、相手がどうやって落としてきているのかを見て、性格を読むというのも面白いかもしれない。

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