格ゲーをやろう!

格ゲーってなんだ?

 格闘ゲームと聞いて、皆様の頭に浮かぶタイトルは何だろうか。やはりすべての格闘ゲームの始祖と言われる『ストリートファイター』シリーズだろうか。あるいは格ゲーブーム全盛期にあらゆる場所で目に留まった『キングオブファイターズ』シリーズだろうか。派手でロックなキャラクターと爽快感とスピード感のある『ギルティギア』シリーズだろうか。子どもの頃に友達とリアルファイトに発展するまでやった『スマッシュブラザーズ』シリーズだろうか。


 ゲームセンターに行けば過去タイトルの配信も盛んで、ゲームショップに行けば様々な機種に移植されたタイトルがあり、パソコン向けゲーム販売サイト『steamスチーム』にも格闘ゲームは数多く配信されている。流行り廃れたと言われながらもまだまだ多くのプレイヤーに愛され続けている。この中から自分にとって楽しめる作品を見つけることは難しい。


 格闘ゲームは基本的に一対一のキャラクターが画面上に対峙して、拳、足、武器、時には魔法や気などを駆使して相手を攻撃、ダメージを与えライフを0にした方が勝利する。というものだ。プレイヤーのレベルが平均的に高くなった現在ではほとんど人間対人間がプレイすることを想定しており、コンピューターが動かすキャラクターと対戦するのはほとんど練習のため、という意味合いが強くなっている。


 また現代のゲーム事情には珍しく深刻なバグ以外は基本的に放置、というスタンスが見られるのも特徴だろう。ストリートファイター2で発生したキャンセルバグ(攻撃の隙を必殺技を出すことによってなくすことができるバグ。現在の格闘ゲームではほとんど実装されている)の影響かはわからないが、今までもかなりのバグがプレイヤーによって発見、利用され、それが続編で正式に仕様になるということが起きている。


 また乱数をあまり使わないのも特徴だろう。乱数とはプログラム上の疑似乱数のことで、わかりやすく言い換えるなら『ランダム要素』と思ってもらって問題ない。たとえばRPGにおいて敵に攻撃をすると外れることもあり、当たってもダメージには多少の振れ幅がある。しかし格闘ゲームにおいては同じ条件下で同じ技を当てれば、ダメージも喰らい硬直(攻撃を受けた側が無防備になり連続攻撃が当たる状態)も同じになる。事実乱数によって技の性能が変化する『ギルティギア』シリーズのキャラクター『ファウスト』や『ザッパ』は初登場時プレイヤーをおおいに驚かせたという。


 こういった要素から近年話題に上ることも増えてきているe-スポーツの競技としても注目されており、世界中のプレイヤーがしのぎを削っているジャンルでもある。


 同じ格闘ゲームと言っても種類は様々あり、プレイヤーからそのゲームのシステム面で分類されている。


 まずもっともわかりやすいのは2D格ゲーと3D格ゲーだろう。これはキャラクターが、という意味ではなく対戦中のキャラクターの移動について、つまりZ軸にキャラクターが動けるかどうかということだ。


 前者の代表例は『ストリートファイター』、後者は『鉄拳』がこれに当たる。Z軸に動くことでキャラの視点で言うと横にかわすことができるか、という点がポイントになる。攻撃をかわせばもちろん相手に隙が発生しそこにつけこめる。対して2Dでは横ではなく後ろにかわしたり、ガード中のシステムを使って反撃することが多い。


 私は残念ながら2D格闘ゲーム専門で3Dには手を出していない。両方プレイする、という人も少なくないとは思うが、ややシステム面でも違いがあり、別のジャンルと考える場合もある。というわけで、今後このエッセイの中では基本的に2D格闘ゲームが登場すると思っていただいて構わない。


 次によく言われるのが立ち回りゲーとコンボゲーと呼ばれる表現だろう。これは同じ2D格闘ゲームでも好き嫌いが激しい方で、どちらかしかやらない、というプレイヤーが意外と多いように感じられる。


 立ち回りゲーというのは簡単に表すなら『攻撃をどう当てるかが勝利の鍵になる』ゲームでコンボゲーは『どの攻撃を当てるかが勝利の鍵になる』ゲームだと言えよう。前者は比較的古くからあるゲーム。後者は新しいゲームに多い。カクヨムで作品に触れる読者なら聞いたことがあるかもしれない『電撃ファイティングクライマックス』もこちらに分類されるだろう。


 どう違うのか? というと前者は攻撃が当たればそれなりにダメージが与えられる、という特徴がある。強攻撃なら一割くらいのダメージがあり、最大コンボで三割、ゲージ技(いわゆる超必殺技)で四~五割というように、それなりにボカスカ叩き合ってもゲームらしくなるのが特徴と言える。勝利を目指すなら相手の攻撃を食らわないように自分の攻撃を当てる、という部分に強く意識を向けるゲームになっている。


 後者はというと、攻撃を続けざまに当てることができ、相手を吹き飛ばしたり、壁に叩きつけたりと派手なアクションが見られるため動画を見ているだけでも楽しめる作品が多い。しかし、プレイしてみるとわかるが、最初に当てた攻撃で以降に続くコンボのダメージが大きく変わる。相手をダウンさせる足払いや隙の少ない弱攻撃ではあまりダメージにならず、カウンターヒットやジャンプ攻撃、強攻撃、コマンドが必要な必殺技を当ててから開始するコンボはものによっては七割近くのダメージになる、というものもある。また総じて派手なアクションを支えるためにキャラクターの機動が早く、動作が多いという特徴も見られる。


 必ずしもこの通りに分類されるということはないが、カクヨム風に簡単にまとめると、立ち回りゲーが現代ドラマジャンルでコンボゲーが異世界あるいは現代ファンタジーというところだろうか。立ち回りゲーでも現実離れした技の数々が見られるのに違いはないのだが。


 そういうわけで日々能力の劣化を感じている私はコンボゲーのスピードについていくことができず、比較的目で追える立ち回りゲーをプレイしている。コンボゲーはコンボの練習そのものが楽しい、という利点もあるのだが、やはり格闘ゲームの最大の楽しみは誰かと対戦すること。その土俵に立つまでが長くなってしまうとなかなか手が出せないのが現状である。

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