発売日からやる、という話
さて、このゲームは私にとっても初めての経験になっている。それは予約して発売日からプレイしていることだ。
同人ゲームも多くプレイしている私は、バージョン1.0になる前から遊んだこともあるが、商業ゲームの格ゲーを最初から遊んだことはなかった。
それの何が違うのか。それは格ゲーは完成して発表されてから進化するゲームだということを強く体験できたことだ。
発売から年数が経った格ゲーは、ネットを調べれば、高火力のコンボからセットプレイ、その対策まで見つけることができる。キャラランクも格付けが終了し、だいたいの勢力図も見えている。
もちろん現役勢が日々研究を重ね、新しい発見でひっくり返ることも少なくないが、毎日のように起こるものではない。
そんな天地を返すような出来事が、新しいタイトルでは毎日起こっている。
誰が強い、誰が弱いという話が入れ替わり立ち替わり出てきてしかもプレイヤーによって意見が違う。強い連携が生まれ、その対策が生まれ、昨日は通った連携が今日はもう通らないこともままある。
そういう激流を泳いでいるという感覚はなかなか味わうことができないのではないだろうか。
トレモ嫌い、コンボ開発嫌いな私でも、誰もが未知の状態ではやらざるを得ない。コンボを考え、セットプレイを考え、立ち回りを考え、キャラ対策を考える。
あぁ、これこそ情報の流通が遅く、自分で考えるしかなかった昔の格ゲーマーに近いのではないか。そんなふうに感じることもある。
この単純ではないが、なかなか達成感のない研究を続けることができるプレイヤーがいつしか強豪と言われるようになるのだろう。
もう一つ、発売日から始めることで体感できることがある。それがプレイヤーの多様性だ。
格闘ゲームは操作難易度の関係でプレイヤー人口がどんどん減っていくゲームだ。発売から数年もすればゲームシステムが気に入った強豪プレイヤーしか残っていないということも少なくない。
同人ゲーム出身の私は、以前にも書いた通り各キャラの全一か元全一しかいないような環境にいたこともある。
しかし、今ならランキングを駆け上がっていく経験者やシリーズ初プレイの初心者まで多様なプレイヤーの姿をゲーム内外で見ることができる。SNSや動画投稿、配信を通じて多くのプレイヤーがいることを実感できるのはある意味この時期だけだ、と中堅格ゲーマーは思ってしまうのだ。
e-スポーツという面やプレイせずにゲームを見るという視点から楽しめるようになった格闘ゲームだが、やっぱり自分でキャラクターを動かし、勝負をするというのは、格闘ゲームで体験できる面白さの一つに違いはない。
きっとこれほどストリートファイターⅡから変わらないコマンドを使い、縦と横にしか動けない格闘ゲームが流行することはないのではないか、と思ってしまう。
だからこそこの瞬間に立ち会うことができて、格闘ゲームを続けていてよかった、と心から思うのだ。
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