確反をとる、という話
格闘ゲームをやっていると勝ちたくなってくるのは自然なことだ。そしてそれを実現するために私たちは練習を始めるのである。これは他のゲームやスポーツ、芸術、勉強とすべての物事に共通することだろう。では、格闘ゲームの練習はどこから始めればいいかということになる。
たいていの格ゲーマーはこう思うだろう。コンボから、だ。この考えは正解の一つであることに違いはない。コンボがしっかりと安定すれば一度にとれるダメージの量が増えて勝ちが近付くだろう。できるようになったことの実感が持ちやすいのもモチベーションの維持に役立つだろう。そして一人でもしっかりと練習が積めるという意味でもコンボ練習は最初の練習として適切だと言える。
しかし、私としてはもう一つオススメしたい方法がある。それが確反をとることを意識することだ。
確反は確定反撃の略称で、反確(反撃確定)という場合もある。正確には少し意味が違うのだが切り取っている場面は同じである。定義するならば「読み合いが一切発生せずに一方的に攻撃を当てること(攻撃をくらうこと)が確実になっている場面」ということになるだろうか。
ではどういうときに確定するのか、ということである。大きく分けて三つある。相手の特定の攻撃をガードした後、相手が攻撃を空振りしたとき、相手が発生の遅い技を振ったときである。このうち一番やりやすいのは相手の攻撃をガードした後だ。
格闘ゲームでは攻撃やガードをすると硬直(いわゆる隙。行動後何もできない時間)が発生する。これは攻撃ごとに決められており、攻撃した側と防御した側に硬直差があるとどちらかが早く次の行動をはじめることができる。攻撃側よりも防御側が先に動けるときに、確反がとれる場合がある。
一番わかりやすい例は昇龍拳をガードしたときだ。昇龍拳は上に飛びあがりながら攻撃する技で、格闘ゲーム世代なら一度は真似をしたことがあるだろう。それゆえにガードすれば無防備に上に飛びあがり着地してからもまだ硬直がある。その間ガードした側は攻撃し放題ということになる。この場面が確反ということになる。何のリスクもなく相手にダメージを与えられる場面を逃さなければ有利に対戦を展開していけるだろう。
そういうときに役に立つのがゲームのwikiや攻略ムックである。技データ表を読んでいくと硬直差という項目が載っているはずだ。これは攻撃を当てたとき、ガードさせたとき、カウンターヒットさせたときにどちらが何F早く動き始めることができるかを示したものである。この数字がマイナスになっている場合、防御側が先に動けるということで、このマイナスの値が技の発生より大きければその技は確反がとれる、ということになる。基本的にはガードしたときだが、一部の技では攻撃を食らった後でも確反がとれる場合がある。
確反がとられやすい技の代表として昇龍拳を挙げたが、逆にとりやすい技は何かという話になる。それはつまり発生の早い技かつ攻撃範囲の広い技、もっとも代表的な技を挙げるならやはりスクリューパイルドライバーだろうか。投げキャラは打撃の発生が遅めに設定されたパワーキャラが多いが、反面投げは見た目以上に攻撃範囲が広く(吸い込みとかダイソンと呼ばれる)発生も1Fや数Fということが多い。硬直差がマイナスの技で距離を大きく離さない技なら基本的になんでも確反である。それゆえ初心者同士ではガード中にコマンド投げを入力し続けるだけで対戦に勝てたりもする(いわゆるぐるぐるザンギ)。
他にも通常投げや超必殺技にも発生が早いものが多く、リーチは短いが弱攻撃も発生が早いので確反を狙うときには役に立ってくれるだろう。特に初心者はゲージを持っても使うコンボの習得や状況判断が難しく余らせてしまうことがある。こういうときに超必殺技で確反がとれるとゲージを無駄なく使いつつ相手に大ダメージを与えることが出来るのだ。
それでは相手の攻撃を待っていればそれでいいのかという話になるが、これはそういうわけにはいかない。まず相手もわざわざ確反があることを知っている技を考えなしに振ってくることはない。使うとすれば当たると思っているか、しっかりとフェイントをかけて使ってくる。それに確反は数Fの隙を狙う技術なので、冷静に相手の技を見ていなければ簡単に入力することはできない。この辺りで上手い人と少しずつ差が生まれてくるだろう。だからこそ練習するのである。
しかし確反はうまくできるようになれば格闘ゲームの中で最も安全に相手にダメージを与える方法である。少しでもとれるようになりたいなぁ、と思いつつもそれを練習するにはCPUではなく人と対戦して黒星を積み上げる中で少しずつ身に着けるしかないのだ。
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