概要
絢爛狂気の幕が上がる―澱んだ夢は淫らに、復讐は蜜の味
パラレルワールドの大日本帝国を舞台にしたダークファンタジー。
第一の主人公を綾小路家の女中・伊原咲、第二の主人公を咲の主人・綾小路蘭子とする奇怪な群像劇の第一夜。
【梗概】
皇紀二五九一年(昭和六年)、東京銀座にあるカフェー「しらゆり」にて、「影絵劇団きりのまち」主宰の幻想影絵芝居「新・青ひげ」の幕が上がる……。
金融恐慌で荒みきった世の中、久々の吉報が新聞を賑わした。
社交界一の美男子・鏑木惟光男爵と父・綾小路章浩の死後、綾小路伯爵を継いだ伯爵夫人(女伯爵)・綾小路蘭子の婚約発表だった。蘭子は両親が日本人にも関わらず赤毛碧眼の西洋人の容姿に生まれつき、母の不貞、家督の簒奪疑惑があった。
前年に先代で蘭子の父、綾小路章浩伯爵が急死した際、彼の遺言は紛失していた。
章浩には蘭
第一の主人公を綾小路家の女中・伊原咲、第二の主人公を咲の主人・綾小路蘭子とする奇怪な群像劇の第一夜。
【梗概】
皇紀二五九一年(昭和六年)、東京銀座にあるカフェー「しらゆり」にて、「影絵劇団きりのまち」主宰の幻想影絵芝居「新・青ひげ」の幕が上がる……。
金融恐慌で荒みきった世の中、久々の吉報が新聞を賑わした。
社交界一の美男子・鏑木惟光男爵と父・綾小路章浩の死後、綾小路伯爵を継いだ伯爵夫人(女伯爵)・綾小路蘭子の婚約発表だった。蘭子は両親が日本人にも関わらず赤毛碧眼の西洋人の容姿に生まれつき、母の不貞、家督の簒奪疑惑があった。
前年に先代で蘭子の父、綾小路章浩伯爵が急死した際、彼の遺言は紛失していた。
章浩には蘭
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!悪が悪をぶったぎる?大日本帝国を舞台にした華麗なる復讐劇
近くもないけどそんなに昔でもない昭和…
その初期を舞台にした復讐劇…
なのですが、この日本は異世界で私たちが暮らす世界とは違うようです。
厳しい身分制度があったり、貴族たちは罪を犯しても裁かれなかったりとかなり理不尽。
その中で横行する殺人や虐待…不吉な影と不可思議な者たち。
陰惨ながらも描写は耽美で退廃的で、ぐいぐい引き込まれます。
特にラストの章は圧巻です。
ネタバレになるので「誰が誰を」とはいえませんが、悪い輩はばっちり始末されるのですかっとします。カタルシスは抜群です。
しかし勧善懲悪、正義の鉄槌ではなく…いうなれば勧悪懲悪のような。
悪×悪の仁義や情なんかみじんもない潰しあいなの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!美しき悪の華、哲学のある悪道、描かれるのは魅力的な暗殺者たち
楽しく読ませてもらっています
どのキャラも魅力的ですが
なんといっても主人公の咲が一番好きです
若く美しくなんといっても妖しく
濃厚なエロスの気配があり
とても大人びているけれど
ほのかに哀愁がにじむ
まさに悪の華
深い業をもつ彼女ですが
くすりと笑える部分もあり
シモンとさくらの存在が
救いになっています
5章は最高でした
咲のセリフの一つ一つにしびれました
強固な身分制度がある社会
はびこる横暴と理不尽
正義は存在しても力を持たない
敵を倒すには
手段を選ばず情けをかけず殲滅するのみ
悪道だからこその非道
非情ゆえの悪道
咲がいった
「悪を倒せるのは同じ悪だけ」
これがこの小説のす…続きを読む