悪が悪をぶったぎる?大日本帝国を舞台にした華麗なる復讐劇

近くもないけどそんなに昔でもない昭和…
その初期を舞台にした復讐劇…
なのですが、この日本は異世界で私たちが暮らす世界とは違うようです。
厳しい身分制度があったり、貴族たちは罪を犯しても裁かれなかったりとかなり理不尽。
その中で横行する殺人や虐待…不吉な影と不可思議な者たち。
陰惨ながらも描写は耽美で退廃的で、ぐいぐい引き込まれます。

特にラストの章は圧巻です。
ネタバレになるので「誰が誰を」とはいえませんが、悪い輩はばっちり始末されるのですかっとします。カタルシスは抜群です。
しかし勧善懲悪、正義の鉄槌ではなく…いうなれば勧悪懲悪のような。
悪×悪の仁義や情なんかみじんもない潰しあいなのです。

ところどころに張られた伏線とミスリードの数々…
癖がありすぎる登場人物ととても面白いダークファンタジーです。

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