美しき悪の華、哲学のある悪道、描かれるのは魅力的な暗殺者たち

楽しく読ませてもらっています
どのキャラも魅力的ですが
なんといっても主人公の咲が一番好きです
若く美しくなんといっても妖しく
濃厚なエロスの気配があり
とても大人びているけれど
ほのかに哀愁がにじむ
まさに悪の華

深い業をもつ彼女ですが
くすりと笑える部分もあり
シモンとさくらの存在が
救いになっています

5章は最高でした
咲のセリフの一つ一つにしびれました
強固な身分制度がある社会
はびこる横暴と理不尽
正義は存在しても力を持たない
敵を倒すには
手段を選ばず情けをかけず殲滅するのみ
悪道だからこその非道
非情ゆえの悪道

咲がいった
「悪を倒せるのは同じ悪だけ」
これがこの小説のすべてを
表している気がします