第123話

「彩加、何でそう言わなかったのよ!私が彼女だって。そうしたら克樹君と恋人になれたのに!」

伶奈は怒っていた。

「伶奈の気持ちは嬉しいけど、克樹の心の隙間に入る事だけはしたくない。それに佐久間さんが本当の彼女だし」

「彩加って……強いね。いつも真っ直ぐでブレない」

伶奈の言葉が激しく彩加の胸を突く。

「そんな訳ないじゃない!私は一杯迷って、ブレたよ。璃来と付き合って……気持ちも揺れ動いたし」

彩加はそう言って涙を一粒落とした。

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