第48話

2月の風は昼間でも冷たい。

彩加は教室の中からふと廊下を見ていた。森里高校には2階の廊下の先に校舎と校舎を繋ぐ渡り廊下がある。其処には克樹の姿があった。冷たい風が吹き抜ける中で1人の女子生徒が一緒にいるのが見えた。

「ごめん。俺、好きな子いるんだ」

克樹はそう言って断る。

「好きな子って誰?」

女の子は更に食い下がる。

「ごめんね」

克樹はそう言うと逃げるようにその場を去って行った。

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