彩加の部屋の木の学習机の上には、克樹に渡す事が出来なかったチョコの箱がある。

……俺にはお前自身を見る事が出来ない。どうしても佑里の面影を重ねてしまう。そんなの酷すぎるだろ。お前は彩加であって佑里じゃないんだから。

ふとチョコの箱を手に取って、彩加の瞳からは自然と涙が溢れ落ちる。

お姉ちゃん……

どうして死んでしまったの？

克樹を苦しめたの？

優しいあの人を。

ねえ、一体どうして⁉︎

「答えてよ！お姉ちゃん！」

彩加は誰もいない部屋で堪らずに泣き叫んだ。

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