第37話

「ありがとう。俺、青好きなんだ」

克樹の言葉を聞いて、杏奈の顔がパッと輝く。

「良かったー」

杏奈は思わず胸を撫で下ろした。

クリスマスの日にも容赦なく練習はある。杏奈もマネージャーとしての仕事があるので、終わらせて森里高校に来た時には既にとっぷりと日が暮れていた。空には沢山の星が煌めいている。

部活を終えて丁度グランドを出た所で

杏奈が待っていた。

「お疲れー!」

其処へ彩加が明るく声を掛けて来た。

彩加の隣には克樹の親友の岩崎瑠来の姿がある。

「おーお疲れ」

克樹も明るい笑顔を返す。

そして2人はそのまま行ってしまった。

「今の人は?」

「あー。彩加とその彼氏」

「そっか。あの人彼氏いたんだね」

「当然でしょう。どう見ても彼女,一軍だよ」

克樹はあっさり答える。

「そうだよねー。あんな可愛い人に彼氏いないはずないよね」

杏奈はホッとしながら克樹を見つめた。



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