第36話

時は飛ぶように過ぎ、街の街路樹もイルミネーションで輝いている。大きなクリスマスツリーも電飾で光ったり消えたりを繰り返していた。そんな中を杏奈は友人の財前佳奈と2人で歩いていた。

「どんなのがいいかな……」

「克樹君へのプレゼント?」

「うん」

杏奈はふと商店街の通り沿いにある1軒のファンシーショップの前で足を止める。

「佳奈だったら何がいいと思う?」

「そうねー。マフラーとか」

「マフラーか。私、編み物出来ないんだよねー」

「杏奈の気持ちが入ってればOK」

杏奈は店先に掛かっている青色のマフラーを手に取った。

見た目手編み風でふわふわの感じだ。

「これどう?克樹、青色好きかな」

「うん、いいじゃない。きっと喜ぶよ」

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