第52話

克樹と杏奈は手を繋いで歩いていた。

日曜日の午後、街は賑やかだ。行き交うカップルや友達連れとすれ違いながら、先程観た映画の話をしていた。

「杏奈、次何処か行きたい所ある?」

「服見に行きたい。新しく出来たファッションビル。夏のワンピ見たくて」

「あー駅前の?」

「うん」

「いいよ」

「克樹は?何処か行きたい所ある?」

「チョコパフェ食べたい」

「ラッキーロードの?」

「うん」

「あの巨大な大盛りパフェ?」

「そう。あれ食べると1週間乗り切れるからさ」

杏奈は思わず笑い出した。

「克樹君、甘い物好きだもんねー」

笑いながら杏奈は克樹の頬を指で突く。

「止めろよ……!」

克樹は思わず恥ずかしそうに杏奈の手を止めた。

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