第51話

克樹は一つの墓石の前で静かに手を合わせていた。花活けには佑里の好きだったマーガレットの花が供えてある。

今日は佑里の2度目の命日だ。

空は青く澄み渡り,春の風が優しく克樹を包み込んでいる。早朝の墓地には制服姿の克樹の他には誰もいない。

佑里……

もうお前と同じ年になったんだな。

お前は年取らないもんな。

17歳のまま、そのままの姿で。

いつまでも……

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