第54話

翌日の朝7時過ぎの事である。

克樹は早朝のランニングを終えると,直ぐに学校に向かった。其処には既にキャプテンの星崎玲の姿があった。

レギュラー入りが出来なかったピッチャーの和泉との投球練習を繰り返している。星崎と和泉はバッテリーを組んでいる。克樹が入部する迄は共に試合にも出ていた。

「悔しいなんてもんじゃない!何で俺はダメで、また克樹なんだ!」

和泉は星崎の前で堪らない思いをぶちまけていた。

「ああ、俺だって悔しい!お前と一緒に試合に出たいよ!でも監督が決めた

事だ」

「俺とじゃ甲子園に行けないって事か⁉︎」

和泉は星崎にしがみついて泣き出した。

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