第24話

克樹は学校の校舎の周りをランニングしていた。既に辺りは真っ暗で冬の星々が煌めいている。クリスマスまで後1ヶ月余りとなり、朝夜にはかなり寒くなって来た。

克樹が校門の前まで戻って来た時、其処には杏奈の姿があった。

花崎高校の濃紺のブレザーとえんじのチェックのスカート、赤いリボンの制服姿だ。

「お帰りなさい」

「杏奈。もう部活は終わったのか?」

克樹は練習用の白いユニフォーム姿だ。

「うん」

「お疲れ」

克樹はそう言って笑顔を見せる。

「克樹こそお疲れ」

「ありがとう。学校まで来てくれて」

「逢いたかったから」

杏奈はそう言うと、ポッと頬を染めた。


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