第5話
「合コンで知り合った子と付き合うって
本当?」
彩加は思わず声を上げた。
「ああ。そう言ってた」
璃来がそう言って苦笑いを浮かべた。
「私は賛成だよ。いつまでもお姉ちゃんの事を想っていても仕方がないし」
「…… 」
「お姉ちゃんが死んで1年経つしさ、そろそろ前に進むべきだよ」
「お前はそれでいいのか?」
璃来は労わりの眼差しを彩加に向ける。
「克樹の事、ずっと好きだったんだろう?」
「…… 」
だからこそ、彼に笑って欲しい……
璃来はその時、克樹が言った言葉を思い出していた。
……彩加とだけは付き合わない。
何故なら佑里の面影を追ってしまうからだ。
グランドの周りには女子生徒達が集まって野球部の練習を見ていた。
「キャー!馬場君!」
「克樹君、素敵ー!」
女の子達の目当てはエースピッチャーの馬場克樹だ。
「カッコいい!」
今はキャッチャーの原沢透と投球練習をしていた。
グランドに散らばったボールを一つ一つ拾いながら、彩加の視線は克樹に向いている。今は全員で素振りをしている。
お姉ちゃん……
今日も彼は練習頑張っているよ……
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