第2話

「なあ、頼むよ。馬場ちゃん。顔並べてくれるだけでいいからさ」

友人の1人が、必死に両手を合わせて頼み込んだ。

ある日の放課後の教室の中の事である。

「人数が1人足りないんだよ」

「行くだけだぜ」

馬場克樹は渋々承知した。

「恩にきるよ!馬場ちゃん」


土曜日の夕方の静かな一時、白を基調とした喫茶店に10名の高校生の男の子や女の子が集まっていた。

女の子達はみんな綺麗にメイクしたり、髪を巻いたり、ネイルもバッチリだ。学校帰りなのでみんな制服だ。

顔は大体10人並みである。

「私達、花崎高校1年生です!」

5人の女の子達は囁き合いながら、克樹を見ていた。

「では自己紹介から…… 」

友人の田村が言って女の子達から自己紹介する事になった。

「お前、どの子?」

細谷が田村に囁く。

「どの子も50点前後……ああ真ん中の子は可愛いか」

5人の女の子が横一列に並んで座っている。

その真ん中に佐久間杏奈がいた。

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