第22話
でもやっぱり気が付けば佑里の事を考えている。佑里が死んで1年。前に進むと決めたのに。杏奈に不満があるわけじゃない。ただ……やっぱり佑里が愛しい。
制服に着替えて部室から出て来ると、空には星が瞬いていた。克樹は夜空を見上げながらまた佑里の事を考えていた。
佑里……佑里……佑里。
逢いたい。
もう一度でいいからお前に逢いたい。今、お前は何処で俺を見ている?
其処まで思った後で克樹は何度も首を振った。
分かっている。お前はもう何処にもいない。
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