第21話

彩加は可愛い。

真っ直ぐで優しくてひたむきで……

アイツが好きになるのも当然だ。

克樹は放課後グランドで素振りをしていたが、ふとその手を止めた。

そしてグランドの端に張られたフェンスの前で座って、転がったボールを一つ一つ拾っている彩加に目を向けた。

首の位置までのポニーテールが少し前に流れている。

「馬場。素振り中だぞ。何してる」

監督の声が飛ぶ。

「すみません」

克樹はすぐに返事をすると、再びバットを降り始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る