第26話

杏奈には知る由もない。

克樹の恋人だった佑里の事や,克樹の心の中には今でも佑里が生きている事。そして彩加がその佑里の妹である事も。

「克樹……」

杏奈は自分の部屋の机の前で椅子に座ってずっと克樹の事を考えていた。

日曜日に克樹と2人で映画を観ていた時に感じた思いが再び蘇る。あの時の克樹は映画を観ているのに何処か遠くを見ているようだった。その記憶が再び杏奈に覆い被さる。

……合コンで会ったの?

杏奈,超羨ましい!

クラスの友人の花織から言われた言葉。

克樹。いつの間にか私、あなたの事をこんなに好きになっている……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る