第40話

「克樹」

声が聞こえてふと後ろを振り返ると,其処には杏奈の姿があった。隣には親友の財前佳奈がいる。

「ああ,杏奈。おめでとう」

「おめでとう。今年もよろしくお願いします」

「此方こそ」

克樹の言葉を聞いて、杏奈は柔らかな笑顔を見せた。

「せっかくだからデートしたら?」

彩加が何気なく言った一言に克樹が反応する。

え?

「行こ。璃来」

彩加はそのまま璃来の腕を引っ張って行ってしまった。

璃来は胸がドキドキしている。

早速、大吉の効果があったようだ。

実は彩加が璃来を名前で呼んだのはこれが初めての事だった。

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