第46話

夜になり父たちも集まっての宴会が始まる。


 よく飲めるものだと感心していれば、部屋から生気を吸い取られたかのような桃が出てきた。


 「桃ちゃん、また美人になったね」


 「おじさんはまた太ったね」


 「相変わらず辛辣」


 酔った彰の父に失礼な言葉を吐き捨てて、冷蔵庫から両手いっぱいのお酒を持って行こうとしている。


 「雪、あれ大丈夫か?」


 「…私と桃、コンビニ行ってくる」


 ヨロヨロと階段を上がろうとする桃を心配そうに見る彰。


 何かあったのは間違いない。


 そっと桃の腕からお酒を取り机の上に置き、鞄を手に家から連れ出す。


 「お姉ちゃん、ハーゲンダッツ食べたい」


 「良いよ。好きなだけ買いな」


 腕にしがみつく桃は、グズグズと鼻を鳴らしている。


 今は何も聞かず、コンビニまでの道を歩こう。

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