第42話
ワイワイと騒がしい我が家。
帰ると彰の家族が集結して、まだ昼過ぎだというのに飲んでいた。
「雪ちゃん桃ちゃん、どっちかうちの娘にならない?うち息子ばかりだから」
「やだ〜、じゃあ彰君、うちの息子にならない〜?うち、娘ばかりだから」
めんどくさいノリに付き合えないと思い、親たちを残して実家の自室へと避難する。
彰はそんな親たちとの会話が好きらしく、輪の中に入っていき、桃は無視を貫きテレビのチャンネルを変えていた。
「疲れる。物凄く、疲れる」
まあまあの距離を運転したということも重なり、ベットにダイブすれば、静かになる通知音。
それはまさかの早乙女さんからのメッセージで、
『作ってみた。けど、鳴無さんの作ったやつがやっぱり美味しい』
というもので、添付されているのはスクランブルエッグになってしまった卵を乗っけた、オムライス。それと一緒に写る、ココアの缶。
「オムライスとココア、合わなさすぎでしょ」
なんでその組み合わせなのかと笑いが溢れ、不意に送られてきたメッセージと、ほのかに嬉しいその内容に頬は緩む。
『今度食べさせてください、そのオムライス。でもオムライスとココア、ミスマッチですね』
『食べたいものと飲みたいものを一緒に胃に入れるんだよ。効率良く』
すぐに返ってくる返事に、まるでそこに早乙女さんがいるかのような感覚になった。
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