第21話
お酒が少し回って来た頃、テーブルに並ぶ野久保さんの手料理達。
肉じゃがに、お味噌汁に、ハンバーグとサラダ。
「 凄い。あの短時間でこんなに作ったんですか!? 」
お酒のせいか、いつもよりテンションが高くなる。
「 慣れると簡単よ。さあ、食べて食べて 」
人の良い笑顔でそう促され、肉じゃがを一口。
口に入れた瞬間に広がる優しい味と、ほろほろと柔らかく溶けて行くじゃがいもの食感。
控えめに言って、最高に美味しい。
「 毎日食べに来たいです 」
「 やめなよ、野久保さんに迷惑だから 」
「 それを言う割には瑠威君、食べに来る頻度多くなった気がするぞ? 」
「 …親父さん、意地悪になった最近 」
「 良いのよ、いつでも来てくれて 」
ゲラゲラと笑う旦那さんと、自分も席につき手を合わせる野久保さん。早乙女さんは、まるでこの夫婦の息子かのような貫禄を漂わせ、暖かい時間が流れ出す。
「 早乙女さん、そんな子どもみたいな顔するんだ 」
「 失礼だよね、本当に。俺27だから 」
「 あ、私より年上だ 」
そして早乙女さんが私よりも一つ年上だと言うことが判明したのだった。
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