第17話

適当にはぐらかして、早乙女さんのことは流すことに成功した。


 どうやら桃は、新しい彼氏が出来たようで、話はそちらへと向く。


 「 桃、次はどんなクズ男? 」


「 酷い。かんちゃんは普通のクズだよ 」


「 クズは否定してよ。お姉ちゃん心配じゃん 」


見る限り、本気ではない。そう感じる。


 だからこそ、別れた方が良いとも言えないし、変な助言なんてしない方が良い。


 桃は第三者からの否定的な言葉を受けると、反論する精神があるから。


 見せてくれた写真は、桃にしてはあまりイケメンではない男性が、桃の隣で古臭いピースをしている写真。


 食後のデザートを持って来てくれた店員さんが、その画面を見たのか、彼氏いるのかとガッカリしながら戻る様子を見て、大丈夫だよ。別れるから多分。と、最低な事を思っていた。


 机の端に置かれた、綺麗な薄黄色のガラス細工の中に入っている、キューブキャンディ。


 それを見ながら、隣人、早乙女さんを思い出しカフェオレを2口飲む。


 あんなに整ったルックスで、きっと中身も綺麗な人、存在するんだなと、そんな事を思いながら。

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