第6話

慣れない部屋と、新しいベッドで、深い眠りに入ることの出来ないまま、朝を迎えた。


 「 まだ6時 」


iPhoneで時間を見れば、まだ朝の6時。


 日曜日だと言うのに、いつもと同じ時間の起床。勿体無いと思いながら、二度寝が不可能だと感じたので、残っていた荷物の荷解きをすることに。


 「 これはここに…で、これはあこに… 」


自分でも独り言が凄いなと思いながら、注文していた薄い水色の壁紙に、アートのように写真を飾っていく。


 「 よし、出来た 」


 家族との写真、友達との写真、愛犬との写真に、自分で撮ったお気に入りの風景。満足のいく壁が仕上がり、朝ごはんを作ろうと時計を見ればいつの間にか8時になっていた。


 「 もう昨日買ったパン、そのまま食べよう 」


冷蔵庫を開けて、アイスコーヒーを取り出す。

火を通さず生で食べることにした食パンは、味気がないのは嫌なのでジャムを塗った。


 「 お母さん、やっぱり凄いや 」


毎日早起きをして家族全員分の朝ごはんにお弁当。そして家事をこなしていた母のことを、心の底から尊敬した朝だった。

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