第15話
「 勇気あるね、あんた 」
差し出されたのは、懐かしいキューブキャンディ。薄ピンクと黄色の四角い小さなキャンディが重なり、見るだけでワクワクさせられる。
「 ありがとうございます。それから、鳴無雪です 」
やっと名前を伝えることが出来、そう言えば名前知らなかったとハッとする早乙女瑠威。
「 …早乙女瑠威です 」
不器用にお辞儀をするその姿に、素直に好感が生まれる。
根神さんは、口角を上げて嬉しそうにその頭をガシガシと撫でた。
「 痛い、根神さん 」
その手をバシッと払うと、警察に事情を話すために部屋へと戻る2人。
「 ありがとう、鳴無さん 」
相変わらず、その表情から感情は読めなかったが、随分と初対面の時より印象の変わった早乙女瑠威、否、早乙女さん。
「 おやすみなさい 」
「 ん 」
閉じた玄関を見て、想像以上に疲れた先ほどの出来事に長い息を吐くと、まだ繋がっていた電話。
「 お姉ちゃん、大丈夫?なんか喧嘩してた? 」
「 桃、明日はゆっくりカフェでも行こう 」
「 今から行くから泊まらせて 」
「 勘弁して 」
今日はゆっくり寝れそうだと、家に入りソファへと傾れ込んだのだった。
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