第12話
キリトは薄暗くなってきた道を携帯で話しながら歩きだした。
「ゴメン、もう少しで着く。」
話しながらも後ろに神経が集中する。
"カラス、来てる?"
"バッチシ!まるで浮気調査してる探偵みたいにね"
いつもと違う時間にキリトが現れたことで驚いた鬼頭は車から降り歩いて尾行している。
待ち合わせの居酒屋に入り同居人を見つけ同じテーブルに座った。
ビールを注文し話をしていた。
突然、キリトが大きな声を出した。
「えっ!そんな…急に言われても…」
「だから状況が変わったの。わかるだろ?だから、今週中ね。今週中に出ていってくれ。」
「そんな、今週中って。今すぐは無理だよ急すぎる」
キリトはうつむきながら話していたが同居人は容赦なく言葉を被せる。
「あ~ッ、もう、めんどくさい奴、今週中な!」
そう言って二千円をテーブルに置いて店を出ていった。
一人になったキリトはその場でしばらくじっとテーブルを見つめていたがしばらくして大きなため息をついたあと同居人が置いていった二千円を持ってお会計を済ませ店を出た。
うつ向きながら歩き人けの無い公園に入りベンチに座る、そして再び大きなため息をついた。
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