第39話

「キリト、先にお風呂入っていいよ。」


食事を終え片付けを済ますと同時に薦めてきた。


素直に返事を返し2階の部屋に着替えをとりに行く。

へやにはいると、電気も付けずにカバンから服を取り出した。


(まただ!)


急に頭がいたくなり耳鳴りがする。


(何なんだ!)


ふらつきをごまかすように咄嗟にベットに手をついた。


頭の中に何かが一気に流れ込んできた。


「くそっ!」


無理やり呼吸を整え部屋を出ると耳鳴りも止み頭痛も和らいだ。


何事もなかったようにバスルームに向かう。

衣類を脱ぎ始めた時、不意に違和感を感じ浴室の扉を開けた。

嫌な匂いが鼻をついた。


(ヤバい!)


顔を覆ったが間に合わずそのまま倒れ込んでしまった。


数分後3人が倒れたキリトを見下ろし、不適な笑みを浮かべている。


「いつもよりペースが早くないか?鬼頭」


「あぁ。ネズミがいるみたいだから誘い出さないとね。黒川、頼むよ。始末。」


するとロープを持っていた石井が倒れたキリトの腕と足を結びながら鬼頭を睨み付け舌打ちをした。


「あれだけ気をつけろって言っただろうが。しかも前回の奴、始末してからあまり間を開けてないのはリスクになるって自分で言ってたくせに。」


石井の小言に鬼頭は鼻で笑う。


「こんなに良い素材、見逃すてはないだろ。ネズミも消せば問題ない。所詮、ネズミはネズミだ。」


そういいながらキリトを運び出した。


鬼頭は浴室の換気扇を回し、脱衣場を後にした。

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