第40話

「ボス!だめです。二人と繋がらない!」


焦ったようにカラスが喚く。


「落ち着け。トンビ、ハッキングは出来るか?」


「監視カメラに今入り込んでる。ちょっと待って。」


トンビは真剣な顔でキーボードを速打ちしている。


「入った!…いや、えっ?…ヤバいんじゃ…。」


写し出されたのはアゲハであるキリトが浴室で倒れている姿だった。


「ちょっと!カゲロウはなにしてんのよ!」


スズメの叫びのような声が辺りに響いた。


画面には鬼頭と2人の男が写し出され、会話が拾われていた。


「…ネズミってカゲの事がバレてる?」


カラスの言葉にツバメが反応した。


「うそ。カゲが見つかってる何てあり得ないでしょ。」


ボスは無言のまま画面を見つめていた。


トンビはキーボードに張り付きキリトを見失わないように叩きまくった。


「カラス、カラス!フクロウを呼んで!早く!」


スズメの声に一瞬反応が遅れ我に返ったようにフクロウとの交信を試みた。


「ロウ!どこにいる?ロウ!早く返事しろって!」


{うっせー。何なんだよ。今言い所なんだけど}


「ロウ!緊急招集。今すぐ来いよ!」


{やだね。かったりー。俺の力はそう簡単に使わせないの知ってんだろ?}


「知ってる!だから今がそのときなの!」


{やだね。前回もそういって呼び出しておいて大したことなかっただろが!}


「今回はマジなんだって!」


カラスとの言い合いが続くが一向に動こうとしない。


するとスズメが爆発した。


「ロウ!いい加減にしろ!アゲハの命が危ないんだ!とっとと来いよ!」


そこにいた全員が無言のまま立ち尽くすほどだ。


{今何て言った?アゲハの命?それを早く言え!バカが!}


言い終わるかどうかと同時に事務所にフクロウが入ってきた。


「おせーよ。バーカ。」


スズメの言葉にみんなはタジタジだ。


「ボス!説明。何があった。」

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