第22話

鬼頭が目を覚まし部屋を出たとき、とてもいい香りが漂っていた。


物音がするのでキッチンに行くとキリトが立っていた。食卓には既にいくつかの料理がならんでいた。


「おはよう。」


「おはようございます。」


「これ、キリト君が作ったの?」


鬼頭は食卓にならんでいる、食事を見て驚いている。


「はい、なに使っていいのか分からなかったので勝手につくっちやいました?口にあうかどうか分かりませんが…。」


「いいよ。っていうか、すごいね!美味しそうだ!」


そう言ってテーブルについた。

キリトも向かい合うように。

二人で朝食を済ませ鬼頭は仕事に出かけた。

キリトは鬼頭を見送ると掃除、洗濯をして

夕方にはほおずきにバイトに行き、帰りに買い出しして帰ってきた。

たまに貰うほおずきの賄いを酒のつまみにして語らう日もあった。

何事も無い日々が一週間ほど続いていた。


そんなある日いつものように朝送り出しすると、鬼頭がキリトに声をかけた。


「行ってらっしゃい」


「行ってきます。あっ、そうだ!今の仕事が片付いたら休みがとれそうなんだ。そしたら食事にでも行こうか。」


「はい。」


鬼頭いつも通りに仕事に向かうため車に乗り込んだ。そしていつものようにナビの設定をし準備する。ナビ画面には携帯と繋がっていて鬼頭のマンションのカメラが現在進行形で写し出された。それが今の日課になっていた。キリトはいつも通りに掃除をしている。

鬼頭は事務所のあるビルの地下に入っていく。

地下の定位置に車を止めた。

その時、画面にふと止まったキリトを見た。

するとキリトは玄関にむかった。

様子がおかしいことに気付き画面に集中すると宅配業者が荷物を持って立っていた。


荷物などなにも頼んでいない。


画面から目が離せなかった。

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