終結
第50話
アゲハは数日間体調が戻らなかった。
鬼頭の別邸の部屋に入ったとき、伊藤拓哉の思念のようなものが入ってきた。
殺される!
叫びのような思念はアゲハの脳に木霊する。
死体が放置されていた墓場に降りたとき色々な物が入り込んできた。
痛み、悲しみ、苦しみ、怨み、諦め、叫びのような思念はアゲハを包み込んだ。
その中で唯一、鼓動らしき物が聞こえた気がした。見失わないよう無我夢中で掘り返した。カゲロウが回りを持ち上げたとき確信へ代わり咄嗟に色の着いた腕を掴んだ。
たった一人でも助けられた。
救いだった。
戻った後の事はあまり覚えていない。
いまだに吐き気と血生臭い匂い、骨や肉片を掴んだ感触が消えなかった。
一週間、続いた。
その間、メンバーはそれぞれアゲハをサポートするかのように動いていた。
アゲハのそばにはスズメが待機。
鬼頭の本邸にはカラスが入りアゲハの痕跡を消した。
トンビは全ての報告書を大急ぎで作っている。
カゲロウは証人である木又と田島を護衛している。
フクロウはどこかへ行ってしまった。
カトリは…。
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